過去問だけで合格？ハイハイ、言うとけ、言うとけ…（神戸市北区の中学受験専門塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #過去問 #考える力

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。11月ともなると、いくらのんびり屋さんと言えども、受験生ならさすがにいろいろとプレッシャーもかかってくる頃でしょうかね。模試成績等の数字が持つ意味合いも一段とシビアになりますしね。これまでなら「まだまだ、これから頑張ろう」と（内心焦りつつも？）流せていた志望校判定も、この時期で「要再検討」なんて出されたら、本人以上に心がかき乱される親御さんも少なくないようですね。

模試の答案を前にして「なんでこんな簡単な問題もできないの？今から復習よ！」と、解答片手（解答がないと教えられない辺りがド素人さんなのですが）に即席家庭教師をおっ始める親御や、「模試はあくまでも模試。要は過去問で合格点取れれば問題ないんだ！」と、志望校判定や塾のカリキュラムそっちのけで「志望校の過去問がすべて」と言わんばかりに過去問演習にのめりこむ親御などが多くなってくるのも、大体この時期くらいからですね。結論から先に言えば、ほとんどの場合はそれで好転することはなく、残念な結末を迎えることになります。

何がダメかって？問題の本質がまったく見えていないんですよ。模試のシビアな判定を見ても「なぜ、この時期にもなって志望校合格に必要な学力が身についていなかったのか？」という点に思い至っていないんです。最大の問題点は「必要な学力を身につける学習が不足していたこと」もっと端的に言えば「考える力がまだまだ足りない＝自分の力で考える練習が質・量ともに不足していた」ということ。それなのに親御が解答頼りに教えたり、既に出題された問題を解くことに血眼になったりしても、何らの解決策にもなり得ません。復習こそ「自分の力で考え『直す』＆解き『直す』」ことが不可欠。そうでない復習はいくらやっても時間のムダ！

それなのに、なんでこうも間違いを犯す親御が多いのでしょう？SNSやらで聞きかじった生兵法のせいもあるでしょうし、確かに大手塾だと十把一絡げのカリキュラムに縛られることも大いにあるとは思います。だからと言って、間違った勉強では学力は伸びません。「自分で」考えて問題を解ききらねばならないのです。よく「テスト中は緊張したのか上手くいかなかったけれど、自宅で解き直したらちゃんと解けたんです（だから問題はないはず）」などと点が取れなかった言い訳をする親御もいますが、入試でも同じことを言うつもりですか？そんな親御の「甘やかし」が最後に「志望校不合格」を招くのです。

かつて、小6の今頃になって入塾問い合わせに来た親御がいました。てっきり転塾かと思ったので「今までどちらの塾で勉強をされていましたか？」と尋ねると「いえ、塾は初めてです。○○中に入りたいので、今から過去問を指導してもらいたいんです。」それで入れるんでしょ？と疑っていないご様子。そこで学力を確認するためにテストをしましたが、○○中には正直箸にも棒にもかからない状態。あらためてそれをお話ししてお帰りいただきました。他所だと「大丈夫ですよ。頑張りましょうね。」なんて受けちゃうところもあるのでしょうけど、変な期待だけ持たせておいて最後に「残念でしたね」と平気な顔で言える厚顔さはウチは持ち合わせていないもので。過去問だけやって合格？ハイハイ、言うとけ、言うとけ…では、また。