中学受験「資本論」②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #資本論 #価値観

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。様々なことに翻弄された2021年もいよいよ終わりを迎えようとしています。今年も当塾のブログをお読みいただき有難うございました。コロナ禍の中での中学受験も2回目。受験生も親御さんも大変でしたね。それでもコロナ対策も慣れてきたし、今年の受験は大丈夫だろう？いえいえそんなことはないようです。去年のコロナ禍の影響を受けた学年が前年の5年生、現小6の受験生だからです。

小5の受験学習内容があやふやなままで「デキた気にさせられている」受験生が多い気がします。小5内容は計算・漢字・語句・理科社会のの基礎知識など濃い内容になっていますが、これをさらっとなぞっただけだと小6の「伸びしろ」に結びつかなくなってくるのです。オンライン授業は良いのですが、それで本当にどこまでお子さんが理解できたのか？勿論、しっかり理解できたお子さんもいらっしゃるでしょう。でも…オンライン、オンラインとAIによる授業形態は悪いことではないのでしょうが、アナタのお子さんにとってはいかがでしたか？どうぞご検証を。

さて、今年も終わりということですが、今年に限らず塾講師歴が長い私が思うに、この頃の中学受験及び教育に関する考え方ー今の親御さん対象と言ってもいいでしょうーに、ある種「こりゃ、ついていけないな」と考えてしまうことが多かったです。前のブログでの中学受験「資本論」でも書いたのですが「金を払っているんだから、志望校に通させろよ」「子どもへの投資として、中学受験をするのよ」と考えることが当然、とお考えの親御さんが実に増えているようなのです。

そういう親御は、お子さんを進学させた私立中に対しても同じ態度で臨まれるようですね。「高い学費を払って通わせているんだから」アノ先生の言動が気に入らない、アノ先生を担当から外せ、同じクラスのアノ子が鬱の子にこんなことを言ったので不登校になった、どうしてくれる？謝罪がないから担任にも責任がある等々。塾だったら気に入らなかったら退塾すればいいですよね、お子さんが気に入っているとしても、親御さんとの信頼関係がなかったら転塾です。これは例えば病院でも同じでしょう。担当の医者に信頼がないのに、病気を治してもらう訳にはいきませんよね。病院はたくさんあるのですから。いわゆるセカンドオピニオンです。

塾でもたくさんいらっしゃいます。塾のセカンドオピニオン。このことについてはまた、ということにしておきますね。「お金を払っているんだから」モノを買うような感覚で中学受験をお考えの親御さん、ホントに多いです。でも、主役は12歳のお子さんだということをお忘れの方も多いようで。受験に臨むのは12歳のお子さん自身。「お子さん自身の意志をどこかに置き忘れているのでは？」と問いかけたい残念な親が増えてきたなぁ、というのが偽らざるところです。

中学受験に限りませんが、受験なんて「思い通りにならない」ことばかりです。「思い通り」？否「親御さんの志望校通り」と言い換えましょうか。当塾でもウチの合格実績だけに目が眩んだのか、例えば「将来医者になりたいとこの子が言っているので○○中に」「外交官になりたいと言うので△△中に」と尤もらしい理由で、結構な志望校を口にされてくる方も多くいらっしゃいます。「その学校に合格するには、一体どれだけの勉強をすると思っていらっしゃいますか？」と念を押しても、「ハイハイわかっています。ウチの子ならデキるはずなので大丈夫です。」と大抵の方はおっしゃいます。でも「勉強をするのはお子さん自身」です。資本論的に言うと「労働者は誰か」です。お金を出してモノを買う、投資する感覚での中学受験の行きつく先は…ということを強く感じたこの一年でした。間もなく迎える新しい年、少なくとも受験に対する価値観ぐらいは共有できる方とのご縁が多くいただけますように。この言葉を、今年最後のご挨拶に代えさせていただきます。では、また。