甲陽学院の「不易の桜」(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia)#甲陽学院 #国語 #入試問題

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2021/04/10 甲陽学院の「不易の桜」(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia)#甲陽学院 #国語 #入試問題

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。桜が満開と思ったら少し寒さが。花冷えの日となっていますが、入学式帰りの親子連れをたくさん見掛けました。みんな正装で一目でわかります。緊張感が解けてホッとした様子で、スーパーでお買い物「ねえ、このお菓子買って!」おや、今日ばかりはOKのようですね、お母さん。さて、前回の続きで今回は甲陽学院中の今年の入試問題から甲陽学院の「不易」についてお話ししたいと思います。何回もこのブログや「学校を知る会」でお伝えしていますが「灘中がムリなら甲陽学院中で」という、偏差値表だけでの判断がいかに愚かで浅はかであるか。今年も甲陽学院中の入試問題からそれを紐解いてみましょう

 

国語の問題の第一日目です。大問一は山田昇平さん著「家族がひとつになる『暮らしのカタチ』」から。論説文です。解答用紙は相も変わらずの記述のオンパレード。この文章ではユニバーサルデザインについて論じ、流行の建築論かと思わせながら、人間形成のための「空間論」で縁側を引き合いにしています。そして多世代の家族が一緒に暮らせることのイメージから、暮らしのなかでの人との交わりと自然環境とのあり方を論じています。「縁側」の写真も入試問題に中に登場。甲陽にしては大サービス?でしょう。縁側というものを知らないであろう現代っ子への思いやりでしょうか。この「空間論」についての暮らしの「カタチ」についてこんな設問が。

 

問二    ①「老若男女」と同じ成り立ちの漢字四字の言葉を一つ書きなさい。

これは四つの漢字が単独で意味を成している熟語。似たようなものには「起承転結」「東西南北」「春夏秋冬」「花鳥風月」などありますね。受験生たち、初日の国語の第二問、書けましたか?

この文章の冒頭では、住空間のあり方について述べているくだりがあります。私はそこに「甲陽学院中高の校舎のあり方」を観ます。中高で校舎の位置は違っても、風通しの良さと中高共に存在する「縁側」の様な、校舎と校舎を空間をまたいで繋ぐ空中渡り廊下…誰ですか?「渡り廊下走り隊」なんて言っているのは!

 

そして物語文。甲陽学院中の物語文の素材には「少年が成長していく」ものが多いのですが、今年は少女が登場しました。一日目の物語文は眞島めいりさん著『みつきの雪』から、二日目は阿部暁子さん著『パラ・スター』から。題材が相変わらず辛口の「そうきたか!」という場面を切り取っています。国語の入試問題作成の際にはある種の「タブー」があるようで、「国語の入試問題の作成には死や別れ、それらの他にもマイナーな感情を表現した場面は避ける。受験生の中にそのような体験を持った子がいたらフラッシュバックを起こして傷つくから。」と、私(当塾教室長)も言われたことがあります。

 

は?傷つくのは受験生じゃなくて、その問題を出して心証が悪くなって次年度の受験者数に影響することを恐れている、学校側の経営ばかり気にする「老害」どもだろ…なんてグチはこちらに置いて、問題を見ていきましょう。こちらは設問の仕方を中心に。それだけで見えてくるものがあるからです。甲陽にはそんなつまらない「タブー」は存在しないことがよくわかりますよ。こちらは第二日目から。病気で下半身まひになった少女「みちる」が、車いすを作りにやってきた会社で働いているのが主人公です。

 

問五    ⑤「雨粒が落ちた水面のように、みちるのひとみがゆれた」とありますが、この時のみちるの心情として最もふさわしいいものを次のア~エから選び、記号で答えなさい。

ア 誰にも気づかれなかった閉ざしてきた自分の思いを言葉にあらわしてくれた小田切に対しての驚きと気づかれたことに対して動揺する気持ち。

イ 自分の秘めた思いを勝手に想像し、みんなの前で無神経に言う小田切に対しての怒りと実は小田切の言う通りではないかととまどう気持ち。

ウ 病気になってから何も考えることができず母親の言うとおりにしてきたことに小田切の言葉で気づいた衝撃とそんな自分に後悔する気持ち。

エ 車いすに乗っている自分にみんな気を使ってくれているのに、小田切の言動は許しがたく怒りをおさえきれなくなっている気持ち。

おっと「選択問題のなかでは暗い内容のものはまず消すこと」というありがちな解法パターンは当てはまりませんね、残念!

 

「木を見て森を見ず」ではありませんが、甲陽学院中の国語の問題は枝葉にこだわっていては解けません。大きな桜の木全体の姿を見て、小さな蕾と散りかけた花の姿、そして花びらの数やおしべの様子を探るような視点が必要です。あ、これってあの駅での私のお花見?甲陽学院中の「不易の桜」どうぞじっくり鑑賞してください。では、また。

 

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