「オンライン」塾バブル到来⁉（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #オンライン授業 #合格実績

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。東京都でも「ステップ2」で学習塾への休業要請が緩和されましたね。阪神間でも多くの自治体で夏休み期間が確定してきたこともあり、大手塾の夏期講習チラシが見られるようになってきました。例年通りの対面授業による夏期講習も行われるのですが、やはり目立つのが「オンライン」の文字。

補習塾なら「休校による学習の遅れを取り戻します！」「夏休みの短縮にも対応した特別カリキュラム！」「未消化の学習内容を理解・定着させ不安を自信に！」「この状況だからこその史上最高の夏期講習を開講！」それができるんなら昨年から「史上最高」やっとけや…というツッコミはやめとこか。（いや、言うてるやん）中には年長生の「双方向オンライン授業」なるものも。「最初は書き言葉ではなくアニメーションで学ぶ」なるほど、つかみはオッケーということね。とにかく最初に「食いつかせる」それさえできりゃしばらくは続くだろうと。いわゆるスマホ育児と同じだね。小さい子どもの情報処理能力を超えるんだよね、動画の刺激って。そんなのをいきなり「食べさせられ」たんじゃ、そりゃ言語能力が育たない訳だ。

進学塾なら「最難関を目指すなら当塾の夏期講習！灘中1位合格は当塾生!!」「灘中を目指すキミへ…当塾から灘中算数最高得点者輩出！」というようないつもの宣伝に加え、「7月オンライン授業無料！夏期志望校別オンライン授業開講!!」「灘中合格を目指すオンライン授業開講！1科目から受講可。他塾との併用歓迎!!」「『オンライン個別指導』＋『高品質映像授業』を自宅で好きな時間に好きなだけ受講できる」いやはや、「オンライン」というだけでようまあこれだけ宣伝文句を思いつくもんやなぁ。感心するわ。それだけ必死ということか。何に？お給料に直結する生徒集めに。なんせ休業が長引きましたから…

で、気になるのは「他塾併用可」というところ。私（当塾代表）が大手塾で灘クラス担当の部署にいた時のこと。上層部から、それまで唯一授業のなかった曜日に「算数の無料授業を開講して全員参加させよ」という業務命令が。なんで？と思っていると塾生の保護者から「他塾から『授業のない〇曜日にウチで無料の灘中算数特訓を受けませんか。今お通いの塾では算数が弱いので灘には受からないと思いますよ。』と勧誘の電話がかかってきた。」との連絡があったのだとか。どこで調べたのか、合格有望な生徒にのみ「ピンポイント攻撃」。合格実績に加えようという魂胆が見え見えなので、これを絶対に阻止せよというお達しだったのです。

言いたいことがわかりますよね。「他塾併用可」＝「ウチのオンライン授業を受けた『他塾生』もちゃっかり合格実績にカウントします」と言っているようなもんだということ。派手な合格実績の下にちっちゃ～な文字で「講習会、テストのみの生徒は含まず」なんて書いてますけど、講習期間外に無料の映像授業でも一度受けてもらえりゃクリアですから。実際はほとんど中身を見ていなくても。

以前のブログでも触れたことがありますが、首都圏の塾と阪神間の塾が「業務提携」して合格実績を「足し算」することも。何のメリットがあるかって？例えば、灘中と開成中のW受験をお互いの塾生にやってもらう。最難関校の合格数が1人でも上積みできればいいですから。それじゃあ自塾の実績にならない？大丈夫。実績のところをよ～く見てみると「〇〇塾の実績」ではなく「○○塾『グループ』の実績」と書いてありますから。

ただでさえ合格実績の数字なんてこんな状況なのに、他塾併用可の「オンライン受講生」まで合格実績に入れられた日にゃ…いやあ、来春の合格実績は凄くなるぞお～。塾バブルだね、こりゃ。もはや参考記録にもならない歪んだデータとなることでしょう。でも「灘中〇〇名合格」命の親御が大勢蔓延る限り、このような数字操作がなくなる日は来ないのでしょう。ノアの箱舟ではないですが、ごく少数の賢い親御さんだけ救われてください。では、また。