「勉強ができる」どの口で言う？②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #漢字 #トメハネハライ

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回に引き続き「本当に勉強ができるかどうか」「中学受験に耐えうる学力があるかどうか」チェックリストの意図についてです。

・漢字を書くのを面倒臭がる。トメ、ハネ、ハライなどそっちのけ。筆圧の加減もない。
「学校の先生が百字練習ウルサイのよ。そのせいでウチの子漢字嫌いになっちゃったみたい。お習字じゃないんだから、それっぽい形にさえ書ければいいんじゃないの？書き順がちょっと違ったって、書いちゃえばどうせわからないんじゃなくて？」こんな親御を持ったお子さんは不幸です。なぜなら「新しいことを学ぶときはまずお手本から」という基礎学習の姿勢を、一番身近で影響を強く受けるはずの親御から教えてもらえないのだから。

こう言うと「これからの時代は『思考力』が大事なのでしょ。お手本を真似るなんて古臭い勉強なんか役に立たないわよ。」なんて知ったかぶりなご意見が聞こえてきそうですね。では、アナタのお子さんは何も土台がない状態からいきなり「思考力」溢れる活動ができるとでも？そもそも親御のアナタがそのレベルだとでも？こう言っては何ですが、本当に思考力がある人間がそんな発言はしません。どうせ「これからの大学入試には『思考力』とやらが必要になると聞いた。今までとは違う勉強をしなければならないらしい。」なんてどっかの教育情報誌で聞きかじっただけなんでしょ？

土台作りでお手本を真似るのは決して古臭い方法ではありません。きちんと自我を支える土台ができてから「オリジナル」を模索することはこれからの時代に不可欠でしょうが、ゼロベースから「完全オリジナル」なんてやっていたのでは人生何年あっても足りません。まるでサンゴ礁が育つかのように、先人が積み上げてきた「遺産」を土台に生まれてくるからこそ、自分が生きている間に新しく何かを積み上げられる時間の余裕ができるのです。そんなことになどまったく「思考」が及ばない人間が「『思考』力が大事」などとよう言えたもんだ。

漢字を嫌がるお子さんの共通点として、漢字の書き取りに異常なまでに時間がかかることが挙げられます。最初はお手本を見て真似るところから始めれば効率が良いのに、それをしないで我流で書くから間違えて余計な時間がかかるのです。そして、その多くが筆圧のコントロールすらできていない。どの一画を見てもすべて始点から終点まで同じ筆圧の一本線。「書く」ではなく「塗る」に等しい。まるで幼児のクレヨン画。実際、鉛筆を「幼児がクレヨンを握りこむ」ように持つお子さんも見受けられます。これでは「絵」はなんとか描けても「文字」は正しく書くことができないでしょう。

角ゴシックフォントかっ！ていうような一本調子の字でトメ、ハネ、ハライの区別は勿論ない。鉛筆の運びもスムーズにいかないもんだから、ちょっと書いただけで疲れてきてだんだん字が乱れてくる。角ばるところがすべて丸まり、草書かと思うほど「達筆」な続け字？となる。上の線と下の線の長さの違いなんてまったく無視。書き間違っても消しゴムもかけずに強引に重ね書き（重ね塗り？）する…どうです？「ウチの子には一つも当てはまらないわ」と言い切れる方、どれだけいますか？

「そんなの大きくなったら自然に直る（治る？）わよ。」では、どうぞご勝手に。ちなみに中学受験で「漢字の書き取り」を出題する学校ではトメ、ハネ、ハライも厳格に採点するところがほとんどだそうです。そりゃそうですよね。どこの学校だって「基礎学習の姿勢」ができているお子さんを選びたいでしょうから。ボーダーラインの争いで漢字一字に泣きたくないでしょう。修正するなら低学年のうち。「計算」「漢字」を疎かにする親子に、中学受験の女神は絶対に微笑みません。

あと、筆圧のことを考えたら4Bなんて「塗り絵」用の鉛筆は手放しましょう。2Bでもギリかな。鉛筆も適切に使えないうちはシャーペンは避けましょう。芯を折りまくって集中が欠けるだけでなく、鉛筆よりも消しゴムに刺してしまいがちなのも欠点。前も言いましたが、筆記用具ですぐに手遊びを始める子に「本当に勉強ができる」ヤツはいません。続きは次回に。では、また。