塾チラシの山の向こう側（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #塾チラシ #大手塾

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。中学入試が終了したと思ったら、大手塾はすでに次の受験生の囲い込みに入っています。塾チラシの文言にも「〇〇学園生が〇中算数最高得点！」「〇塾が今年の第一日目国語最高得点！」「合格者の〇〇人に１人が〇〇〇塾出身」「最難関中の対策特別講座にキミも」「〇中選抜特訓・トライアルコース・特訓特別クラス・今なら無料体験受付中」「併塾可能・〇〇〇中対策授業」…スミマセン、書き切れません、そして何だか虚しくなってきました。

当塾ではいわゆる「教育相談」なるものを、時には「ある日突然」（どこかの歌の題名ではありませんが…古ッ！）お受けすることがあります。随分と切羽詰まった様子で、他塾のテストやプリント類をお見せになられるや否や、

親御さん（以下「親」）「どうしたら塾のクラスが上がるのでしょうか。家では私たちがつきっきりで宿題も、テスト直しも学習管理もしているのに、成績が下がってきたんです！」

私（当塾教室長、以下「私」）「う～ん…今お通いの〇学園の先生に聞いてみてはいかがですか？」

親「聞いてその通りにしてもこうだし、『今はつらいときですよね、この単元を終えたらまた点も伸びてきます。なんなら明日対策プリントをお渡ししますから、授業前に取りに来るように〇〇君に言ってください。こちらからも励ましておきます』と言ってくれたのに、そのプリントが昨日もらえなかったんです。これってないでしょ？無責任でしょ？」

私「もう一回その対策プリントやらをもらいに行っては？多分受付との連絡ミスだったかもしれませんよ。優しいですね、その塾の担当の講師は。」

親「でも、この前もプリントをもらいにいったら解答も一緒にくれたんです。組分けテストまで間に合わないんです。チョット教えてくれないでしょうか…」

私「他塾の教材のことは他塾にお聞きください、とだけしか申し上げられません。申し訳ありませんが。」

親「だって入塾するときに言ってくれたのよ、息子さんなら合格しますよって。すごくよくできますね、えらいねって頭も撫でてくれて。なのに！」

「なのに」その方の後姿を塾の入り口で見送りながら、私はもう一回「なのに」と呟きました。うーん、改めてこの時期、大手進学塾のチラシを見てみましょう。先ほど私が書いていて疲弊した文言が盛りだくさん。まるでラブラブカップルのやり取りじゃないですか。

男「僕と一緒になったらこんなこともあんなこともします、これもあれもしてあげます。君の幸せを保証するよ！だって僕はこんなにすごいんだもの。だから僕との将来を選んでも大丈夫だよ！」

女「本当？本当に私を幸せにしてくれるの？だったら私、アナタとケッコンするわ！」

これでめでたくゴールイン…そんな思考方法ではないでしょうか。「幸せにしてくれるのならあなたを選ぶ」そのためには実績（年収？）もしっかり調べておかなくちゃ。

「合格することが確約されているからこの塾に入れた」そんなことはないとわかっていても、我が子だけの幸せ＝合格は保証されているハズだと思いたい気持ち、たとえバカな親だと言われようと…という気持ち、わかります。このチラシの文言を見ていると、そのような気持ちになりますよね。

でも、来年・再来年とそれ以降の中学入試をお考えの親御さん、もう一回思い出してみてください。お子さんが「初めて」歩いた日のこと。「初めて」モグモグできた日のこと。「初めて」にいっぱい拍手しましたよね？「わー、スゴイスゴイ！」でもだんだんその「初めて」が見えなくなって…でも「初めて」の日からずっと「できること」はお子さんの中で増えてきています。中学受験、それも「初めて」です。なぜ中学受験をさせようとしているのか、もう一度振り返ってみてください。下手なプロポーズまがいの文言のチラシではなく、お子さんの言葉「この世って、いいね！」お子さんが何を「いいね！」としているかを。本日実施した当塾の説明会でも、その「いいね！」について、神大附属中の今年度の入試問題を使ってご説明いたしました。塾チラシの山の向こう側にあるものをもう一度振り返ってみましょう。では、また。