全国統一小学生テスト・対策授業に見る「格差」②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #全国統一小学生テスト #対策授業 #格差

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。全国統一小学生テスト「対策授業」についてお話を続けます。まず、年長から。今回から当塾でも年長さんを受け付け、対策授業も実施いたしました。

年長のテストですが、プリントを一人で黙々と読んでという形式ではありません。問題の指示を試験官が読み上げ、それに従って解答するというもの。その読み上げ内容です。「では始めます。問題は一度しか読みません。先生の話をよく聞きましょう。」ここで、試験官はテストのページを子どもが開いていることを確認します。そして「しかくいち、せんせいのおはなしをよくきいてこたえましょう。」そして「かっこいち、〇〇は…」と問題を読み上げていきます。問題と問題との間は数十秒間の巡視もありますので、「すぐに」ではありませんし、問題文も先生が読み上げはするものの、プリントにも記載されていますから「聞き逃したら…」等という心配はないかと思います。

以前もこのブログでお書きしましたが、数の認知・季節感を問う・図形の認識など小学校入学前に確認しておきたい力を聞いています。これらの力は「中学入試の基礎」でもあります。問題は次々と進んでいきますが、途中で「え？なんて言ったの？」とか「これでいいの？」「待って」なんてことは許されません。「待ってと言ったのに、待ってくれなかった、だからできなかった。」という言い訳も通用しません。しかも「時間」も決められていて「あと10秒です…やめ。えんぴつを置きましょう。」という指示もあります。「独り言」程度ならいいのですが、周りの受験生にも迷惑が掛かりますし、テストの公平性を担保する意味でも「わがまま」でテストを止めることは認められません。

中には「できる、できる、かんたん！」とばかりに指示を無視して先に問題を解こうとするお子さんも。でも「指示に従って」問題を進めてもらいます。すべてのお子さんがスラスラとひらがなが読めて、問題文を理解できて解ける、という前提ではないこともご承知おきください。「できるんだから、どんどん先をやればいいんじゃないの？なんで問題なんかを声に出して読み上げるのよ。」ちょっと待ってください。問題一の1番のやり方が、それ以降のすべての問題に通用するとは限らないのです。

幼児さんに市販教材を自己流でさせてみた親御さん、こんな経験も少なくないのでは？お子さんが「あ、なんだ同じように書けばいいんでしょ。」などという思い込みで問題を解き続けた挙げ句、すべて×だったなんてこと。「だから言ったでしょ！よく問題を読みなさいって。」うーん、どこかでいつも耳にするセリフ。

ま、いずれにしても、これだけは断言しておきますね。お子さんができなかったのを必ず「外」のせいにする「残念な親」の皆さんへ。「こんな問題は習っていないから解けなかった。」「子どもがわからないと言っているのにヒントも教えてくれなかった。」「となりの子のえんぴつの音がうるさくて集中できなかった。」「こんな点をつけて子どもが可哀想だわ。」「『対策授業』なんて何の役にも立たないじゃない。問題が全然違うじゃないの。」「子どもが泣き出しているのに放っておかれた。」（テストなんだから当たり前でしょ？むしろ親の恥ですよ。）お子さんの「結果」イコール自分の子育ての「成果」とお考えなのでしょうが、確かにその通りかもしれませんね。だって、こんなセリフを恥ずかしげもなく堂々と言ってのけられるのだから。学力を含めた様々な「格差」もそんなところから生じるのですがね。

我が子だけが満点が取れるテストをご所望なら、自分で作ってお子さんにやらせてみたらどうですか？念のため、もう一度。「全国統一小学生テスト」は、アナタのお子さんに「能力以上の良い点」を取らせて気持ちよくなってもらうようなテストではありません。現状を知るためのテストです。会場である塾の対応が良かろうが悪かろうが、解けないモンは解けないし、点が取れないモンは取れないんですよ。次にどうするかということを、もう少し冷静になって考えてみたら？では、また。