【学校情報2020】甲陽学院の「自由」③（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #学校説明会 #甲陽学院中

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。甲陽学院の学校説明会のお話の続き。ここまで、甲陽学院の「自由」についてお伝えしてきました。今回は「入学考査出題各教科説明」についてお話しします。お待ちかねでしたか？ご期待を裏切るようですが、過去の説明・出題傾向共に変更はありません…見事なほどに言い切られます、毎年。なぜ二日に分けて入試をするかって？一発勝負や、たまたまできた、などという「偶然性」を排除するためだそうです。「一日目の算数は式を書かなくていいのでここで勝負！」とか「一日目の国語の語句で点数を稼げ！」などという表層的な戦略は通用しません。それでも今年の説明会では、次のように先生方が教科別に仰っていました。

まず算数。担当の平野先生はこれも当塾の教え子の元担任団、しかも高2・3時の担任だった先生です。よく「オサムが、この解法よりもこっちの方が美しいと…」等と当塾の講師相手に言っていたので、私（当塾教室長）もそのお名前は存じ上げていました。あ、「オサム」というのは平野先生の下のお名前なのですが、てっきり数学のよくできる友人のことかとしばらく思っていましたがね。

その平野先生、いきなり「ゴールドバッハ予想について」と数学の有名な未解決問題の名を挙げて、論理のお話を始めました。隣のお父さん、「すわ、来年の出題のヒントか？」と慌ててスマホでチエック。もしかして「むじゃき」なアナタも？でも先生の本意は「このように自分で調べ上げる、考えさせるような初見の問題も視野に入れています。」ということのようです。過去問をしらみつぶしに解いているだけではあきまへんで、柔軟なアタマも見るで、ということでしょう。図形のセンス、初見問題への対応に論理的思考力を見るので、解答だけではなく説明・式・図表も書いてくださいとのこと。計算力？これはアタリマエでしょ。

次に理科。甲陽学院の理科と言えば、今は副校長の大川先生の作問が、そのあまりの難解さで受験生・塾のセンセイ泣かせと有名でした。その「精神」は今でも受け継がれているようで、とても細かい実験結果の数値を読み取らせて推測させるというような問題も健在。難易度は毎年同じハズなのに（「ホンマかぁ？」by当塾代表）、平均点が年によって違うことは少々気にしておられるようでした。

さあ、国語。「『ことばの知識』は出題文中に含みます」なるほど、漢字のしりとりや四字熟語などの単独出題は毎年ありません。そしてぱっと見は「易しそう」にも見えます。素材文も難解なものではありませんしね。「ナーんだ」なんてお考えの親御さんと受験生。残念！私はこの出題形式と答え方は「京都大学」のミニ入試だと思っています。「全体をしっかり読まなければ解けない」のです。しっかり＝論理的に、です。傍線部のすぐ前に答えがあるよなどと普段教えている塾のセンセイ達、なかったことにしないでくださいね。

私は当塾でよく読解・記述問題の添削で言っています。「アナタの意見は聞いていないよ。作者の意見は？」「アンタの気持ちを聞いてるんじゃないよ。登場人物の気持ちを聞いてるんだよ」でも「主人公の気持ちはワタシの気持ち。だってワタシはこう思うから」と平気で答えて私に×を食らい「？」という子、とてもたくさんいます。なるほど「むじゃき」なオコチャマはハイさようならとなるわけですね。

「『科学的態度』こそが気品である」と今西校長先生が仰っていました。最初のお話の中でトランプ大統領や不正論文事件等についても述べられ、「現代社会は事実が軽んじられる時代である。だからこそ、知識と思考力を学校で磨いて、論理的思考でこれからの社会を生き抜いていく。そのような人材を輩出することは、『お上』の学校ではない学校だからこそ実現できるのだ。」とも。どうですか？甲陽志望のオコチャマと親御さんたち。そういうことを本当に理解した上で、甲陽学院中に入学したいと思われたのでしょうか？「見栄だ、偏差値だ」では、わざわざ落ちこぼれるために甲陽に入るようなもんです。尤も、甲陽に合格出来ればのお話ですが。甲陽学院のお話はひとまずここまでにしましょう。では、また。