残念な人の「内部進学？外部受験？」⑥（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #残念な人 #内部進学 #外部受験

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。中高一貫校の附属小に通うお子さん、せっかく学校の成績も上向いて落ち着いたかと思ったのに、母親が欲を出したために台無しにしてしまった話の続きです。

母親が望む上位校の勉強にはまったく歯が立たないことを伝えてから、母親のお子さんへの態度が元に戻りました。「やっぱりこの子はダメだ。」この言葉を聞いたお子さんの学習意欲が完全に失われ、学校の成績もまた下がり始めました。折悪しく、ちょうどこの時期の学校で、ちょっとしたことがきっかけで仲間外れにされたことも重なり、状況は最悪でした。これに危機感を持ったのが父親でした。「学校には相談をしているが今のところ納得できる話はない。このままだと学校を変わることになりそう。なので指導レベルを元に戻してやってほしい。学校のレベルが下がっても構わないので外部受験の準備をさせたい。子どもや家内には私から言って聞かせる。」

お子さんに確認したら「もう一度やってみる」と言うので、「何があっても二度とヤル気のない態度を見せないこと」を約束させた上で、もう一度元のレベルに立ち返って指導することにしました。それからはこの子なりに約束を守り、標準クラスへの内部進学ならなんとかなるかなというところまで持ち直しました。お子さんもまた落ち着きを取り戻しました。

ところが、まさかの繰り返しがここで起きます。父親がやってきて（この頃、母親は塾に顔を出さなくなっていました。）「ウチの子も自信が出てきたようなので、やっぱり上の学校を目指して外部受験させたいのですが。あれから学校とも何度か面談したのですが、やはり納得いかなかったので。前はレベルが高過ぎたようなので、もう１段下げて指導していただいたらついていけるのではないかと。」と。耳を疑いました。アンタらのせいで成績が下がったら「この子は何をやってもダメだ」と見放しておいて、こちらが苦労して成績を上げたら「だったら親が望む上位校に行け」なんて。アンタも母親と一緒じゃん…

さすがに、今度ばかりはこちらも難色を示しました。横にいるお子さんも、前とは違って「ムリムリ」と顔を横に振っていました。本人もこれで気がついたようです。成績が悪いと見放されると思って、頑張って成績を上げても、さらにハードルが高くなるだけなんだと。頼りにしていた父親にも同じ言動を繰り返されたたことにかなり傷ついたようです。それ以降、せっかく良くなっていたこのお子さんの学習姿勢は、またまた中途半端になってしまいました。

まったく何もやらないということではないものの、基本以上のことは受け付けなくなりました。父親に見放されたくないので成績を下げる訳にはいかないが、成績が上がってまた辛い受験勉強をするのも嫌だという心理だったのでしょう。塾で実施する模試も「成績が出るから嫌だ」と欠席してしまう有様でした。悪かったら怒られるし、良かったら「上位校受験」の口実になりかねないしと思ったのでしょう。

親子でよく話し合ってくださいと何度も言ったのですが、困ったことにこのお子さん、塾では自分の気持ちを話すのに、親にはまったく話そうとしないのです。親は親で「子どもは『嫌だ』と言いません」「私達の話を聞いて頷いていました」というばかり。上から押しつけるばかりで何を話しても聞いてくれない、話すだけムダだとお子さんが思っているのが明らかなのに。

親の本音は上位校の外部受験だが、お子さんにはその意志がまったくないという状態のまま、こちらもストレスが溜まる難しい舵取りが続きました。それでも、標準クラスで内部進学する程度の学力はなんとか維持していたのです。そして２学期も終わろうとしていた頃、「アンタら、ホンマにええ加減にせえよ！」ということになります。その話は次回。では、また。