灘校入試説明会「実況」②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #灘校

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。灘校入試説明会「実況」の２回目です。校長の話の続きです。

灘校では、８人程度の学年担任団が中高６年間持ち上がります。ただし、クラス担任は毎年変わりますし、クラス替えも行います。この６年間持ち上がり制の一番のメリットは、生徒の成長の過程を見ることができることです。変化を見つけやすく、またそれをチームで相談しやすいのです。例えば、中２までまじめに勉強に取り組んでいたのに、中３になって急に勉強しなくなった生徒がいたとします。１年毎に学年担任が変わってしまうと、中３の担任はこの子を「勉強しない生徒」と見なすでしょう。しかし、持ち上がり制ならば「これまではしっかり勉強していたのに、何かあったのだろうか？」と考えることができ、適切に対応しやすくなります。

課外活動も盛んです。生徒会や部活もほとんどが中高一貫で活動しています。生徒会が主導する文化祭等は生徒が自ら進んで実行しており、教員が口を出すことはほとんどありません。部活に関しても自主性に任しており、参加するもしないも自由、兼部も自由です。現在馬術部があるのですが、馬術に優れた生徒が一人いて、大会に出るためには高校名で出場しなければならないための馬術部なんです。その一人だけの為の「部」で、卒業したら廃部になる運命かと（笑）まあ、それほど「自由」だとご理解ください。

中高一貫のメリットをお話ししてきましたが、デメリットもあります。それは「中だるみ」です。他の中高一貫校では高校募集をしない学校もあるようですが、ウチは在校生に刺激を与えるため高校からの入学生を受け入れています。高校からの入学生ですが、中学からの生徒との混合クラスとなります。ただし、進度の違いが大きい教科では高校からの生徒だけで授業をすることもあるので、その点はご安心ください。

公立校の週５日制に合わせて灘校も授業は週５日制としましたが、土曜が完全にお休みというわけでもありません。行事や考査日に充てることもあります。例えば、期末考査期間中に平日を休みにする代わりに土曜を考査日にするということがあります。また、１学期と２学期の各３日間に「土曜講座」というものを実施しています。これは、灘の錚々たるＯＢや教師たちを講師としてそれぞれの専門について講義をしてもらうというもので、生徒はいくつかある講座の中から興味のあるものを選択して受講します。好きなものを選んでいるせいか「授業ではあんなに眠そうにしている生徒が目を輝かせて聴いている」というような声も聞こえてきます。教師の方も、負けじと普段の授業では扱わないような専門的な内容で講義をします。

「自由」と「自主」。これは生徒だけでなく先生の側にも当てはまります。同じ教科でも教え方はそれぞれに任されます。灘の授業は生徒との「コラボ」で成り立っています。生徒には「灘中・高生らしさ」という枠を考えた上での「自主性」を求めています。では何が「灘中・高生らしさ」なのか、そういうことも自分で考えてもらいたいのです。言い換えれば「自律（立ではない）」の心。「自分の個性を伸ばし、他人の個性を尊重し、お互いに切磋琢磨できる」灘校の精神に賛同できるという生徒に来てもらいたいと思います。

校長の話はここまで。次回は教頭による「灘校の生活や灘校生について」のお話です。では、また。