灘校入試説明会「実況」①（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #灘校

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回は、灘中学校・高等学校の入試説明会の内容をお伝えします。遠方で入試説明会に行けなかった、子どもがまだ小さいという方でも、入試説明会の雰囲気だけでも伝わればと思います。

開始30分前。会場は正門正面にある本館講堂で、建物は文化庁から登録有形文化財に指定されています。２階の講堂入口で資料とお土産（校章の焼き印が入った瓦せんべい）を手渡され、講堂の中に入ります。折り畳みイスがおよそ500席並んでいますが、前方の席が半分程度埋まったかというところ。後方では願書や過去問の冊子やプリントが販売されています。土曜日ということもあり、親子連れやファミリーが多いようで、席は見る間に埋まっていきます。開始の頃にはほとんど席が埋まってしまいました。定刻10時、校長が登壇し開会となります。ここから校長のお話です。

昨日は雨が降り今日はどうかと思いましたが、いい天気となって安心しました。入試説明会も最後の３回目ですが、いつも３回目はご参加が少なくなるのですが、本日は例年より多いように思います。さて、本校は昭和２年、灘五郷にあるいくつかの酒造家の篤志を受けて創立されました。その際、教育に関しては素人だというので、創立者の１つ・嘉納家の親戚で当時東京高等師範学校（現・筑波大学）校長兼講道館館長であった嘉納治五郎先生に顧問をお願いしたところ、先生も教育に大変興味があり快諾。資金集め等にも尽力し、翌年開校の運びとなりました。

この講堂にも先生直筆の額が掲げられていますが、我が校の校是は先生が提唱された柔道の精神「精力善用」「自他共栄」です。灘校ではこれをどのように捉えているということをお話しします。「精力善用」は「自分が持つ能力を最大限発揮することで、その結果として世の中の役に立つようにすること」、「自他共栄」は「自分の個性も大切に、他人の個性も尊重する」。先生は「相助相譲・自他共栄」と仰っていて、「相助相譲」とは「互いに助け、互いに譲る」ということですが、この言葉の意味も含めて「お互いの個性を大切にし、それぞれの力を結集し、世の中の役に立つような大事を成す」ことが「精力善用」「自他共栄」の具現化であると考えています。ここでいう「お互い」とは生徒同士というだけでなく、教師と生徒も含みます。教師も生徒から学ぶことがあります。また、地域の方々と学校という関係も含みます。灘校は私学ですから、お近くに住んでおられても入試で合格していただかないと通うことができません。そういうこともあって疎ましく思われることもあったようですが、先の阪神・淡路大震災で校舎を避難所等に提供したり、生徒達と被災者の方々が交流したりということを通じて、地域とのつながりが強くなったことがありました。

灘の特徴の一つ「６年間担任団持ち上がり制」のこと等、校長の話はまだまだ続きます。続きはまた次回に。