中島らもが見た灘②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #灘校

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回、私（当塾代表）のかなり先輩に当たる中島らも氏の話をしました。小説家・劇作家・随筆家・ミュージシャン・俳優・放送作家・広告プランナー等々多方面に才能を発揮し多くの人に知られた方ですが、不慮の事故で14年前に鬼籍に入られました。で、なんでこのブログで取り上げるの？という疑問をお持ちの方もいらっしゃるだろうということで、本題に入る前に中島らも氏と灘校のことについて触れていきます。

尼崎市にある歯科医の家に生まれた中島裕之少年、教育に超熱心な母親の影響を受けて育ちます。地元の小学校で一番となったのを機に、進学校へ通わせたいという母親の強い意向で、灘中への進学率が高いという評判のあった神戸市内の小学校に四年生で転校し、五年生から塾に通い始めます。現代の「孟母三遷」といったところでしょうか。本人曰く「勉強ロボットみたいな小学生だった」全国模試で２番になっても「あぁ、上にもう一人いるんかと思った」そして迎えた灘中入試で８番で合格。我が子の灘中合格を夢見る教育ママにとっては、シングル順位での合格なんてほぼ極みだと思うのですが、ここでもやはり「世の中というのはやっぱり広いなぁ。まだ上に７人もいるのか」という感想だったそうです。こんなセリフを聞いてたら、塾のテスト程度でギャーギャー言ってるのがバカらしくないですか。育ちが良くて尚且つ学業優秀なんてヤツ、この学校にはごまんといます。だからつい「そんなヤツは性格が悪い」云々と言いたくなるのですが、それでいて性格も良いのも実際いるもんで…

ところが、本人の著書の中で「ちょっと気を抜いて漫画を描いたり、ギターを弾いたりしている内に成績はみるみる下がっていった」とあります。とは言うものの、受験時の勉強量は凄かったとは思いますが、さすがにシングルともなると入学時点で「ゴムが伸び切っていた」わけでもなかったようです。「高１までは上３分の１で踏ん張っていた」そうで、上３分の１なら十分東大圏内ですから。しかし、高２で雲行きが怪しくなります。灘の教師のある一言がきっかけとなり、何もかもがバカらしくなったらも氏は「受験ロボット」を続けることを拒否し、ついにはテストまでボイコットし、「番外」（テストを受けていないので順位がつかない）で灘校を卒業することになります。

これは単なる「落ちこぼれ」の話ではありません。詳しくはまたお話ししますが、お子さんに受験という荷物を背負わすのなら、親御さんにもぜひ感じ取ってもらいたい何かが示唆されている話です。あなたにはその感性があるでしょうか？では、また。