受かったらそれでおしまい？（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #落ちこぼれ

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回の終わりに「私学に入学させる意味をもう少し考えて」と書きました。今回はそのことについて、いくつかの具体例を挙げてお話ししていきます。

前回まで三田学園についてご紹介してきました。共学化を皮切りにいろいろと改革を推し進めてきた、と書きましたが、中には残念ながら失敗と考えられるものもありました。ただ、それは学校ではなく生徒の方にその責任が大きかったと言わざるを得ないのです。もうピンときている方もいますでしょうか。そう「関学コース」のことです。大阪の帝塚山学院などと共に、関西学院大への進学が保証されるコースが設置されたのですが、その進学保証が徒となり生徒が熱心に学習せず、関学大が求めるレベルの学力に達しないという事態になってしまったらしいのです。同時期に在籍していた一般コースの生徒が「ホンマ、あいつら勉強せえへんでぇ」と言うのですから、まず間違いないと思います。

関学大からのプレッシャーもあり、学校も何とかしようとしたのですが「笛吹けども踊らず」だったようです。コース制の変更による発展的解消という形で「関学コース」は廃止されましたが、実態はそんな感じだったそうです。帝塚山学院では入学時から学習姿勢を口酸っぱく指導し、実際に関学大に進学した生徒は成績優秀者が多く、今も「関学コース」が継続中で生徒募集の大きな動機付けになっていることから、三田学園の場合はやはり失敗だったと言わざるを得ません。原因は「関学コース」生の考えの甘さとしか言えないでしょう。

話変わって、ある女子校での合格者招集の場でのこと。隣の親子の会話を聞いていると…「〇〇ちゃん、受かって本当に良かったわねぇ。」「でも勉強大変だったわ。もうあんなに勉強しなくていいのよね。」「受験勉強ほどはいらないと思うけど、今度は学校の勉強についてかなくちゃダメよ。」「お母さん、合格するまでの我慢だから、勉強しなさいって前に言ってたじゃん。私、もう勉強なんかしてあげないからね。」

どう思います？勉強することが「親」に対して果たす義務なんですかね。これではもう先が見えていますよね。上の「関学コース」生の思考と何の変わりもありません。ただ、この場合は親が子に「勉強することを頼んでしまっている」という大失策を犯したことが大きな原因です。合格を目指して努力を促すことは良いのですが、「なぜ」「どうして」をすっ飛ばしたことが大問題です。突き詰めれば親御の見栄を最優先させて、「とにかく合格さえすりゃいいいの」ということになりますが、これでは入学後に最悪の結果を招きます。

ここまで言えば、今回の趣旨がどこにあるかもうおわかりだと思います。「百里の道は九十九里を以って半ばとせよ」とは裏腹に、合格だけで百里にしてしまう親御さんが多過ぎます。もう一回繰り返します。「私学に入学させる意味をもう少し考えて」