高学年からの中学受験は可能か？⑥（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #中学受験勉強いつから

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。「高学年からの中学受験は可能か？」を続けます。

中学受験において「『環境』を買う。『環境』を用意する。」という考え方があります。コスト（お金）という視点だけで物事を見ている人には理解できないことかもしれません。そういう人はまずコストパフォーマンスを考えてしまうからです。途中経過はどうでもよく、最小のコストで最大の結果が欲しいだけ。受験では「なるべく費用はかけないで、他人に自慢できる大学に行ってくれ。」ということになるのでしょう。「出口」を先に見てしまうということです。その「出口」に行くためには（お金以外の）何が必要か、という視点がすっぽり抜け落ちているのです。

「公立中高はタダだし、そこで頑張れば国公立大に行けるわよね。東大、京大だって夢じゃない！」「中学受験して私立に６年も通うなんて、どれだけお金がかかるんだよ。それで公立生と同じ大学だったらコスパ悪すぎね？」このような考えの方は中学受験をさせないでしょうから、中学受験をしようと頑張っているご家庭とは「別世界の住人」です。

巷間の受験情報誌にも「中学受験とお金」なる特集が幅を利かせ、教育評論家と称する御仁がのたまう「○○するのはソンか？トクか？」という、本当にどうでもいい蘊蓄をありがたく聞いている影響かもしれません。世の中すべて「数字」だ、「データ」だと言わんばかり。その割にはその「数字」や「データ」の信憑性は考えない。自分に都合がいい情報だけ選り分けるもんだから余計タチが悪い。カッコ悪いだけですから、塾や他の親の前で「数字に強い」アピールはやめておいたほうがいいですよ。

中学受験と公立高受験はまったく違う受験です。誤解を恐れず言えば、公立高受験のほうがよっぽど「輪切り」です。親御だって「せめて真ん中あたりの高校じゃないと（カッコがつかないわ）」「〇〇高校でなければ行かせない（こう言っておけば頑張るだろう）」と平気で言うでしょう？お子さんが「こういう特徴があるから、この高校に行きたい」なんて少数派でしょう？それに比べれば、「大手塾の偏差値表」信者も多くいますが、まだ中学受験の方が学校を見ている方が多いと断言できます。気に入った私立中高の６年間の「環境」の中ではたくさんの「出会い」、その学校の校風ならではの「成長」があるのです。中には、親御さんが教わった先生が今の校長先生になっていて「子どもをよろしくお願いします」なんていうこともあります。同じ学校に通う「仲間」との友情等も含め、それらひっくるめて「環境」と考えるべきでしょう。お金に換えられないものがそこにはあるのです。「公立でも同じだ」という意見もありそうですが、学区で行く学校が決まっているのと、わざわざ入試を受けて授業料を払ってまで自分の意志で決めていく学校とでは、スタート時点で集団の質が異なるのは当然でしょう。

受験においてまで「元を取る」とか「ムダ金は使いたくない」とかコスパのことばかり言っている家庭は、最終的に成功しません。学校という「途中経過」を考えずに大学進学結果だけで行き先を決める方は、大学を出て就活するときも「コスパの良い会社」を選ぼうとするのでしょうが、そんな子が一体社会で「何ができる」のでしょうか？「自分は何ができるか？何をしたいか？」をじっくり醸成するのが中高時代の「環境」のはず。「安物買いの銭失い」にならないようご忠告申し上げます。

「神大附属だけ受けさせる。落ちたら公立でいい。」これ、ほとんどが「授業料が安いのに自慢できる（コスパ最高！）」ではないですか？これについては、別の機会に触れたいと思います。では、また。