お家で育てる国語力～本が読めるお子さんにするには～⑧（神戸市北区・西鈴蘭台の塾、灘中学受験Academia） ＃国語力 #読解力

神戸市北区西鈴蘭台の進学塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。お家で育てる国語力⑥での問いの解答を続けます。

今回は問2、「A君が合格を勝ち取った理由を答えなさい。」を考えます。

またやってみましょう、「明らかな×」シリーズ。この問題はたくさんの誤答が出るはずです。子供たちにこのような「理由」を記述させると、トンデモ珍解答が続出します。入試問題でもテキストでもお構いなし。一人一人の答案や宿題を見ていて、時々頭を抱えて倒れこんだものです。自分で勝手に物語書いてどうするの？「理由」って意味わかってる？なんですぐ目の前の文の中からひっぱってくるの？こんなことどこに書いてあるの？なんで自分の考えを書くの？いつも「全体の流れをしっかりつかめ！気持ちが変化したところでは、何か原因があるよ。事件があるよ。そこに注目だよ」と、私（当塾教室長）が口酸っぱく授業で言い続けて指導していたことは一体何だったのだろう…すきま風がヒュー(=_=)

では、明らかな×の具体例を挙げていきましょう。①しっかり合格できたから。②試験でしっかり点をとれたから。③がんばったから。④合格するためにがんばったから。⑤合格してお母さんや友達を見返したかったから。⑥勉強の成果が出たから。⑦漫画を読んでリラックスしたから。…すいません。なんかだんだん頭が痛くなってきました。誤答例がたくさん浮かんでくる自分が悲しいです。国語の指導を通じて、たくさんたくさん直させましたから。これらの明らかな×の「大きな勘違い」ポイントは、A君が「合格するという目標」のために「がんばった」から合格した。そう読み違えているところです。

「先生、お願いします。」と過去問題集を「私」のところへ持参した「行動」、その後A君が「自分自身を取り戻したこと」そして「笑って試験会場に入っていった」「表情」、最初は「クラスを変わらないとお母さんが…」と自信なさげに言っていたのが次の日にガラッと変わったこと、そして私から「もう、頑張ったんだよ。」と言われたこと。これらのパーツを拾い集めていくと、A君の心の変化が見えてきます。A君の「気持ち」は合格したい、という方向よりも「自分自身とは何か」つまり「自我」に向いていたのです。「させられている受験勉強」から「自分の意志でする受験勉強」へ変わった瞬間です。しかも「勝ち取った」と問われているので、何に「勝った」のか、しっかりと答えの中に入れてくださいね。

では、「解答」もいくつか挙げておきます。①「A君が自分の力を信じることができるようになったから。」②「A君がお母さんとけんかしたことで、自分の気持ちがわかったから。」③「A君が気弱だった自分を自分で乗り越えることができたから。」

次回はいよいよ核心？の問３です。では、また。