プレテストと学校のプライド（神戸市北区の中学受験専門塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #プレテスト #阪神間

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。10月も中旬に入り、阪神間の私立中では「プレテスト」の実施時期を迎えています。私（当塾代表）の記憶が違っていたらゴメンナサイですが、このプレテストが始まったのは首都圏の方だったかと。午後入試然りアラカルト入試然り、新しい試みは大抵首都圏が元祖で、阪神間の学校はその動向を見定めるというのがいつもの流れと理解しています。

その阪神間においては先頭はいつも大阪の学校で、兵庫の学校は更に時間をおいてから恐る恐る後をついていくというような感じ。大阪の方が競争が激しいこともありますが、兵庫の保守的な姿勢がここでも表れています。時代の変化への対応がいつも一歩二歩遅れてしまっている感が拭えません。それは志願者数や入学者数にも出てきているような気が。「だからプレテストとかやってるんじゃないの！」と言われそうですが「それなら、周りを気にしないでもっと早くおやりなさいよ！」というのが正直な感想です。

とは言っても、首都圏でも阪神間でもすべての学校がプレテストを実施している訳ではありません。語弊を恐れずに言えば「『プレテストをやらない』ことが学校のプライド」というような態度の学校も少なからずあるように思います。別にそれが悪いと言っているんじゃないですよ。「本番の入試一本で判定」というのもそれはそれで潔し。伝統のあるトップ校では「統一日に1回だけ入試」が主流で「他の選択肢を排して自分のところを第一志望とする受験生のみを対象とする」姿勢を変えません。新進気鋭の進学校が、統一日を避けた日程（複数回入試を含め）によりトップ校からの「おこぼれ」を掬い取り、鍛え上げ、進学実績を伸ばしてトップ校に肩を並べるようになっても…です。どちらが良い悪いの二極論ではありませんが、どちらの学校にお子さんを託すかは親御さん次第。尤も、それらの学校に見合うだけの学力があれば…の話です。

プレテストを実施する学校もその戦略は様々。「受験する・しないに関わらず、模試代わりの学力試しで受験を」というところもあれば、あえて有料（5,000円という学校も！）にすることで「冷やかし」を排除した「本来の受験層」に絞るところもあります。また、プレテストの成績で「特待」資格を与えるところもあれば、プレテストで「A判定」でも入試本番では「不合格」を平気？で出すところもあります。いずれにしても「プレテストを受けて損した」ということはまあないと思うので、積極的に受けられてはいかがかと。強いてデメリットを挙げるとするならば、あまりにも実力とかけ離れ過ぎている場合は「受けるだけ時間と労力のムダ」になる恐れがあるかも知れません。「自分（我が子）の出来なさ」を知るのも有意義だと思えればいいのですが…

当塾でも、プレテストは積極的に参加するよう受験生に勧めています。志望校のプレテストは勿論ですが、それより下位とされる学校でも紹介することが多いです。それにはいくつかの理由があります。まずは「場数を踏ませる」こと。学校の教室で入試を模して行われるプレテストは、一般の模試や塾内テストとはやはり違います。ある種独特の「空気感」とでも言いましょうか。プレだとわかっていても、どこか「入試」を意識させる緊張感。これは本番前に体感しておくべきものです。次に「自分の現状・立ち位置を確認する」こと。下位校だからといってすべてが「基礎・基本問題」とも限らないし、単元によってはその「基礎・基本」すら正解できないこともあり得ます。あえて様々な形式のテストを受けることで、自分が今できること・できないことが見えてくるのです。

ところが、親御の中には下位（と勝手に思っている場合も含む）の学校を紹介するとあからさまに嫌な顔をする方も。「そんな偏差値の低い学校を勧めるなんてウチの子を馬鹿にしているの？」「そんな学校のテストを受けに行ったことが近所に知れたらカッコ悪いじゃないの」そういう方にはこう言うことにしています。「では、文句なしの『A判定』が出るくらいの成績を取ってきてください。続きはそれからお話しますから」続きの話って？残念ながら、それを話した試しがないからわかりません（笑）プレテスト一つ取っても、学校だけでなく親御のプライドも試されるということですかね。せっかく受けるプレテスト、やはり全力で頑張ってほしいと願います。では、また。