１．１７と中学入試～ＫＯＢＥより～（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #１．１７ #中学受験 #中学受験ブログ

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今日はＫＯＢＥにとってあれから24年の「１．１７」。地震発生時刻の午前５時46分に各地で追悼行事が行われました。被災者の高齢化が進み年々行事の数が減ってきているそうです。神戸港では震災の時に大きく破壊された岸壁がメモリアルパークとして保存されており、見る人に当時の様子を伝えています。しかし一方で震災関連施設において落書きが見つかる等、記憶の風化が心配されています。

震災発生時、私（当塾代表）は神戸北隣の市内に一人暮らしをしていました。思い起こせば、数日前から小さな地震が頻繁に起きていました。今にして思えば予兆だったのですね。地震発生から数時間後、停電から復旧しテレビをつけた瞬間の画面が「阪神高速倒壊」だったのです。一瞬だけつながった電話で両親の無事だけは確認できましたが、その後しばらくは電話も通じず、道路も鉄道も寸断されて実家に帰ることもできません。とにかく当時勤めていた塾に出勤した私は、塾長の指示で本日休校の電話連絡に忙殺されることとなります。なんせ電話が10回に１回もつながらないのです。ようやくつながったところには「近隣の友達にも伝えておいてほしい」とお願いしていました。それでも直接つながらなかった家からは文句言われましたけどね。

当然ながらこの年の中学入試も大混乱に陥りました。この年から兵庫・大阪の私立中は入試日を3/1から2/1に変更することにしていたのです。震災を受けて兵庫の学校は急遽3/1に延期しました。当然のことでしょう。ところが大阪の学校は2/1を強行しました。大阪の学校とはいえ兵庫からの受験生も少なからずいるはずなのに。「大阪と兵庫が併願できるようになった」なんて言える状況なんかじゃありません。灘なんて体育館が避難所兼安置所になっていたのですよ。大阪の決定にはいまだに疑問が残りますし憤りすら感じます。

その後、兵庫と大阪の入試日がさらに前倒しとなり１月半ばの土曜を入試初日にするようになりました。「１．１７」が該当する場合も何の配慮もなく入試日になりました。私はこれにも反対です。「大学センター試験も行われてるから」という人もいるようですが、全国規模の試験はさておき、ＫＯＢＥがある兵庫だけでも「１．１７」に配慮するべきではないでしょうか。大阪が「１．１７」にやりたいなら勝手にやらせておけばいいですが兵庫だけはやはり別日にしてもらいたい。なんなら東京のように曜日に関係なく毎年同じ日を入試初日にすればいい。どっちみち２次以降の後期入試は曜日なんて関係ないのだから。

灘の説明会で「震災前はあまり周辺住民との交流は盛んではなかったが、震災で避難所として開放したことがきっかけで交流が深まった。」とありました。であれば、兵庫とりわけＫＯＢＥの学校はもう少し「１．１７」のことを考えてもらいたいなと思うのです。震災の年、東京では地下鉄サリン事件が発生し阪神淡路大震災への関心が薄れてしまったと聞いています。やむを得ないところもあるかとは思いますが、何年経とうとせめてＫＯＢＥだけは「１．１７」を忘れないようにしてほしい。この日だけはわずかな時間でもいいから静かに祈りを捧げてほしい。この日だけは他のことが考えられなくなる中学入試はやっぱり止めてほしい。そう思うのですがムリな話なんでしょうか。では、また。