夙川中と須磨学園中（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #中学受験ブログ #夙川中

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回、夙川と須磨学園の違いについて触れたところ、もう少し詳しくとの声があったので入試の違いに焦点を当ててご説明します。

来春の夙川中の入試は全部で４回（午後含む）。須磨学園との併願を考慮した日程です。連続受験による加点は須磨学園と同じですが、夙川と須磨学園の「学校またぎ」は連続受験とはみなされません。2019年度の授業料や毎月の納付金については、従前の夙川学院よりおよそ２割程度、須磨学園より１割程度安いとのこと。須磨学園プログラムの内、２割ほどの内容が夙川で行われないとされている分だけ費用が抑えられているのではないかと思われます。

夙川中の入試内容について。まず国語。出題傾向として、「会話文：人の『話』が分かる」「説明文：人の『考え」が分かる」「物語文：人の『気持ち」が分かる」ことを問います。ただし、会話文は第１回入試のみ出題。須磨学園の80％の難易度を想定。設問箇所は同じとし、選択肢の長さは１～２行程度。記述は50字程度（須磨は100～150字）で、解答のポイントは２～３つ。第１回は知識重視、第２回は想像力（小説文）重視、第３回は思考力・表現力（説明文）重視、第４回は満遍なく出題するとのこと。

次に算数。各回とも「第１問計算問題５問、第２問小問集合７問、第３～５問文章問題（１問は図形問題）」で50分。計算問題は須磨に比べて量がやや少なめ。小問集合は基本的な一行問題で後半やや難易度が上がる。文章問題は平面図形、空間図形、場合の数、約束記号による計算、速さ、濃度、規則性、時計算など。いずれの入試回でも基本知識を重視し、他に第２回は思考力、第３回は思考力と読解力、第

４回は計算力と読解力を重視します。

最後に理科。小問集合で各分野２問ずつ、大問で各分野５問程度出題。須磨学園では「応用力（難易度：中）＋未知問題への対応力（難易度：難）」に対し、夙川は「応用力＋基礎知識（難易度：易）」の出題とする。小問集合では１対１対応の力を問い、勉強量が得点に比例する問題とする。また、大問では10行程度のリード文に設問（基本問題＋応用問題）の形とし、１対１対応の力を問い、ほとんどの問題がどこかで見たことのある問題とする。塾で学習したことを真面目に復習する生徒が大変有利になる問題としています。

正直な話、大手塾としては「美味しい」ところではないかと思います。大手塾に通っていても勉強しない子、ホントにたくさんいますもの。親子ともに塾のブランドに胡坐をかいているだけ。この時期、教室責任者は頭が痛いのです。そういうのに限って、まず受かるはずない志望校を言ってきますからね。そこへ夙川が須磨の傘下に入るというニュース。これは有難い。「志望されている須磨学園は厳しいですが、夙川を受け皿にしたらいかがですか。須磨学園と同じ教育が受けられますよ。実質、須磨学園に入ったようなもんですよ。今だけの『お買い得』ですよ。」などと言いくるめることができますから。

夙川との結びつきを強めたいと考えている塾もあるようです。今春の入試でも、大手塾に通っていたものの全落ちを食らい、ある中学校の最終入試を受験した子がいたそうです。上位のクラスには入れず、一般クラスで一応合格。親御さんは入学させようとしたらしいのですが、塾の教室責任者が「そこは辞退して夙川にされてはどうですか」と説得し、一転夙川中に行くことになったそうです。そうなるまで夙川の「し」の字も出なかったらしいのですが。そのお子さんが夙川に向いているから、という理由ではなさそうですね。

「たくさんの子どもを抱えているのに、一人ひとりいちいち考えてられっかよ。ただでさえ、こっちは毎日数字数字（売り上げ、営業成績、子どもの成績等々）で追われて大変なんだよ。あんなに勉強しなかったんだから、行けるところがあるだけマシだと思えよ。」そんな本音が透けて見えるとしたら…それでも「寄らば大樹の陰」って言ってられるのでしょうかね。では、また。