灘中国語名物・詩の問題の本質とは?③(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia) #灘中 #灘中国語 #灘中詩

有限会社灘教育研究所

078-940-4170

〒651-1132 神戸市北区南五葉1丁目2-31 SHKビル2F

営業時間/14:00~21:00 定休日/日曜・祝日

灘中国語名物・詩の問題の本質とは?③(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia) #灘中 #灘中国語 #灘中詩

スタッフブログ

2018/08/03 灘中国語名物・詩の問題の本質とは?③(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia) #灘中 #灘中国語 #灘中詩

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回お休みした「灘中名物・詩の問題の本質とは?」に戻ります。

 

ある小学校で「『ごんぎつね』の続きを考えなさい。」という国語の宿題があったそうです。ご存知の通り、この作品のラストでは「ごんが死ぬ(直接「死」を書いてはいないが)」のですが、その後どうなったのかを一人ひとりが発表するという授業だったそうです。で、みんなの発表を聞いてみると…

「未来から医者が来て生き返る。」「仙人のような人が来て魂をもらって生き返り、仲良く兵十と暮らす。」「兵十も死んで二人?で墓に入る。」「兵十も失意のうちに死に、イワシ屋が弔う。」

大きく分けて、「ゴンが生き返る」説?と「兵十も死ぬ」説?の2つが多かったそうです。

 

詩のプロとして悲しいのは、その後みんなで考えを話し合うという時間がなかったこと。確かに「正解」があるわけではありません。ただ、この2つで終わってしまったのではあまりに浅い。まず、この2つの「ラスト」は今流行りの漫画やドラマでよく出てくるモチーフです。私(当塾教室長)は、このことが「現代っ子の『死』に対するイメージの希薄さ、もしくは極端なまでの恐れ」を表しているのだと考えます。

 

本来は、みんなで話し合いをする中で「死生観」といったものをもっと深める授業をしていただきたい。ただ、子どもに限らず、日本人が「討論」すると、議論を深めることより相手を言い負かすことに主眼が置かれ、単なる中傷合戦やいじめになってしまいます。それを避けるため、単なる発表会で終わってしまうのです。これでは「グローバル」の対極でしょう。悲しいかな、この状況が変わらない限り、本当の意味での「ワークショップ」形式の授業は望むべくもないでしょう。

 

前回、灘中の詩には「闇」があると言いましたが、あえて「死という闇」を垣間見させるような作品を選択しているように感じます。人生の「闇」のほの暗さ、厳しい道程を示す「標識」であるかのように。また、先の小学校の授業とちがい、そのテーマを真正面に受けて、受験生に深く掘り下げさせるような問いかけをするのも、さすが灘と思わせるところです。

 

しかし、最近の出題を見ると、そこまでの気概がなくなってきているのでは?と思う節も。学校説明会で「本当はぼちぼち外来語とかの出題はやめたいのだけれど、受験生が対策しているのを裏切るのも何なので…」というような話がありました。どういうことでしょうか。受験生といえば聞こえがいいですが、これは灘を看板にしている塾への忖度ではないでしょうか。語句問題を増やせば対策は取りやすいし、詩で解説文を付せば極端にできないこともなくなる。学校としては国語の受験者平均を下げずに済むし、塾としてはほぼ算数だけで合否が決まる状況の方が対策上有難い。しかし、2020年以降を考えれば、そんなことも言ってられなくなると思います。

 

実際、今春の入試ではそちらに舵を切るのかな、と思わせるような出題がありました。不合格者の親でしょうか、「今までのパターンにない問題が出て沈んでしまった。塾がそれを把握して対策してくれれば…」と恨み言をSNSに書き込んでいるのを見ましたが、見苦しいことこの上なし。パターン学習で乗り切るようなヤツはもう要らん、と2020年改革で言っているのがまだわかっていないようです。灘の国語科の先生には、もう一度かつての「気概あふれた」出題を期待します。では、また。

 

■■□―――――――――――――――――――□■■

灘中学受験アカデミア

【電話番号】
078-940-4170

【住所】
〒651-1132
神戸市北区南五葉1丁目2-31 SHKビル2F

【営業時間】
14:00~21:00

【定休日】
日曜・祝日

■■□―――――――――――――――――――□■■

TOP