神大附属「学びの報告書」で自己プレゼン（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #神大附属 #探究学習

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。シルバーウィーク後半戦の3連休初日、今日も雨。それもまた台風の接近。14号ほどの勢力ではないものの大雨に注意だとか。尤も、土曜が休みでない身から言わせれば、どうせ3連休にはならない訳だし別に構わんけど…それにしても今年の気象には振り回されっ放しという感じ。いつから梅雨だったの？いつになったら猛暑が収まるの？なんて思っていたら、次は台風の連続攻撃。これでめっきり秋らしく快適な陽気になるってんならまだしも、ラニーニャの影響で「秋は短く、冬は寒さが厳しい」予想だって。う～ん…

兵庫県下で「探究」に力を入れている中高一貫校として、雲雀丘学園、三田学園と紹介してきました。今回は締め括りとして国立の神戸大学附属中等教育学校に触れたいと思います。関東で「神大」と書くと箱根駅伝でも有名な「神奈川大」を指すそうですね。読み方も「じんだい」だとか。こちらでは「神戸大学」のことで「しんだい」です。なので「神戸大学附属」略して「神大附属（しんだいふぞく）」他にKobe Universityの頭文字から「KU（ケーユー）」とも呼ばれます。細かい経緯は省略しますが、2015年に一般適性検査（いわゆる入試）が始まって以来、「公立並みの授業料で有名私立一貫校同等の教育が受けられる」（それだけとは言いませんが…）と、毎年多くの受検生（受「験」生ではない）を集める人気校になりました。

当初こそ「作文が書ければ受かる」だとか「『小学校でできる』程度で合格できる」だとか随分楽観的な「デマ」も飛び交い、各学習塾も「KUコース」なる講座で「新規開拓」に躍起でしたが、検査日（いわゆる入試日）が私立統一日より後ということでかなりの上位生も受検することから、男子で「六甲」レベル、女子では「神戸女学院」レベルが合格ラインとなり、数年で「猫も杓子もKU」状態は解消しました。試験でひと桁点数を取る「強者」も未だ存在しますが。

さて、KUでは「国際的視野を持ち未来を切り拓く、真理探究の精神に富んだグローバルキャリア人の育成」という教育目標の下、総合的な探究（学習）の時間を「Kobeポート・インテリジェンス・プロジェクト」（略して「Kobeプロジェクト(KP)」）と呼んでいます。1・2年生では「課題研究入門」でリサーチリテラシーの基礎を学び、3年生からは「課題研究」に取り組みます。最終的には全員が18,000字の卒業論文を仕上げます。中には研究発表会で最優秀となる文部科学大臣賞に選ばれるようなものもあり、国公立大学の推薦入試でも一定の成果が出てきているようです。

もちろん、これだけの教育内容ともなると、入学時点での学力レベルも相当のものが求められます。「入学できればあとは学校が伸ばしてくれるでしょ」という甘い考えは、特にこの学校では通用しません。勉強面でついていけなくてドロップアウトする生徒も少なくないようで、入学者数と6年後の卒業者数を比べると10人以上減っているようです。私立校と比べてもその点はかなりドライだとお考えください。

昨年の一般適性検査より、従来の調査書+作文に代わり「学びの報告書」というものを提出することになりました。当初は面接を行っていたものが、あまりの受検生の多さに対処しきれなくなったことから検査時間内での作文となりました。作文では毎年テーマが変わりましたが、「学びの報告書」は「本校での学びの適性を判断する資料です。志願者が努力・工夫して取り組んできたこと（結果の成否は問いません）を志願者自身が日本語で表現します。」と決められており、「自分はKUでの探究学習に十分取り組めるだけの力がある」ことを自己プレゼンするものと考えれば良いでしょうか。学力検査300点満点に対して「学びの報告書」は40点満点とされており、「学びの報告書」だけで合格できる訳ではありませんが、これくらいも自分で書けないようではKUの指導についていけないでしょうし、そもそも合格もないでしょう。

いやぁ、これからのお子さんはタイヘンですねぇ。中学受験(検)でプレゼン力まで問われるんですから。事前提出なので、親御や塾が手を出しちゃうんだろうけど…それで何とか受かっても、どうせ卒業まで保ちませんからぁ。残念！結局は本当に力をつけたヤツだけが生き残っていくんでしょう。いやぁ、これからのお子さんはやっぱりタイヘンだぁ。兵庫県の「探究学習」にリキを入れている学校のご紹介はここまで。次回は大阪の学校をご紹介します。では、また。