全国統一小学生テスト・悪が栄える試しなし？（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #全国統一小学生テスト #決勝大会 #テスト問題

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。「全国統一小学生テスト」を主催しているのは「四谷大塚」という首都圏の大手進学塾です。関西ではあまりピンと来ない方も多いでしょうが、かつては「四谷大塚」が首都圏中学受験の王者として君臨していた時代もありました。中学受験生対象の「日曜テスト」「日曜教室」から発展していった経緯もあり、昔を知る者からすれば「あの四谷大塚が主催するテスト（しかも無料！）」だということで、「入塾イベントにもってこい」とテスト公認会場になった塾も多かったようです。

塾にとっては、自塾生から成績優秀者が出れば「いい宣伝」になるという面もあります。当塾でも塾生が「兵庫県第1位」になったことがあり、周囲に強烈なインパクトを与えたことがありました。残念ながら「決勝大会」にはあと数点で行けなかったのですが、ここで悔しい思いをしたのをバネにして、それまで「高嶺の花」と考えていた志望校に挑戦することを決意し、見事合格を勝ち取りました。そしてその6年後、東大文Ⅱに現役合格しました。

その「決勝大会」、テスト開始当初は実施されておらず、1回のテストだけで成績優秀者を発表していました。ところが、成績優秀者が発表されると「アイツがあんなにできるはずがない」ということがあったのだそう。テスト問題と同時に「解答解説」も事前にテスト会場に送られますが、これが疑われました。そこで主催者は、成績優秀者を集めてもう一度テストを行うことに。これが「決勝大会」です。ズルをした生徒は決勝大会で赤っ恥をかくことになるので、決勝大会が開かれてからは怪しい事例はほぼなくなったそうです。今回の決勝大会は「課題提出」ということですが、果たして公平性は担保できるのでしょうか？

話は変わりますが、テストが終わると、オークションサイトやフリマサイトに全国統一小学生テストの問題用紙や解答の出品が数多く見られます。安くて500円程度、高いと5000円以上（！）の値付けも。どうやら、テストを受けた子の親御が出品している様子。テストというものは、受かる前の準備、テスト本番、テスト後の見直しの３段階で役立てるものです。また、ある程度長いスパンで通してみたときに、お子さんの勉強の成果が表れてきたか、未だに弱点となっているところはないか等を分析する為のデータとしても蓄積すべきものです。勿論、いつでも見られるように問題も保管しておくべき。それを「売り」に出すとはどういう了見なのでしょう？目先の僅かな金を手に入れる代わりに、どれだけ大切なものを捨てているのか…そんな姿勢では、テストを受けても何の成果も得られないことでしょう。何とも情けない話…

でも、どうやら親御だけが「犯人」ではないらしい。中にはテストを実施した塾が転売しているのでは？と思うものもあります。未使用一式を謳っている出品がそれ。実施会場では、破損等の不測の事態に備えて、少ないながらも予備の問題冊子も送られています。テストが終わればそれが手元に残ります。実施会場が実費負担するのは受験票の送料と当日の人件費程度で、大方は主催の四谷大塚が負担していますので、ほぼタダのものを換金しているのです。何ともセコイ話…

実は、今回のテスト実施に当たり本部からこんなお達しが。「コロナ禍にも関わらず受験生が順調に増えており、問題冊子の数に余裕がありません。また、昨今の運送事情から冊子の不足分を後から送るのにも限界があります。×日時点でのサイト申込数により問題送付数を決定しますので、受験申込はその送付数までで締め切ってください。また、申込人数と当日の受験者数に大きな差がある（欠席者が多い）会場、特に自塾生の欠席者が多い会場についてはその理由をお尋ねします。理由の如何によっては、次回以降のテスト実施について検討させていただくこととします。」つまり「テスト問題を確保する目的でダミーの受験者を登録するような不届き者がいるようだが、今回はしっかり取り締まるから覚悟しておけ！」ということのようです。次回消えている会場があったら、そういうことなのかも。悪が栄える試しなし？

いずれにしても、買うヤツがいるから売るヤツが出てくるのです。全国統一小学生テストの過去問なんて買ってどうするのですか？少なくとも支払う金額に見合うほどのメリットはありませんよ。「買おうかな」なんて思っているそこのアナタ、悪いことは言いません。お止めなさい。もっと有意義なことにお使いなさいな。では、また。