理科もできんで何が理系ぞ（怒）⑤（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #理科 #思考力

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。このシリーズの初回に、親御も、塾も、学校も、教育改革が目指そうとしている「思考力の育成」とは違う方向へ進んでいるのではないかと書きました。表向きは改革の方向性に賛同しているかのように見えて実は何も変わっていない。親御は何としてでも上位校とされる学校へ我が子を入れたい。塾はそんな親御に受けるような講座を設定して過剰な「演出」で募集をかける。学校は生徒募集のためにそんな塾に忖度して募集要項をころころ変える。そのどれもが表向きには「思考力重視」等と謳うものだから余計にタチが悪い。「受かるためならｏｒ生徒を集めるためなら手段を選ばない」という態度が見えにくくなっているのではないかと。

で、その問題の根っこは子どもたちの学力がどんどん低下してきていることに尽きます。もちろん学力が低下すれば、その先にあるはずの思考力だって望むべくもない。これは現場で指導している人間なら、よほど鈍感でない限り共通して感じていることでしょう。「子どもを見たら札束と思え」と考えるのならそんなことも思わないのでしょうが。（残念ながら、塾業界で実際に聞かされたことがある言葉です。）学力がないと思わせる例はいくらでもありますが、それらに共通する点を一言で言えば「言葉が通じない」ということです。「最近の若いヤツは…」なんてレベルではなく、この子たちは本当に同じ言語で生活しているのだろうかと思わせるくらいです。語彙も文法もあまりに貧弱で、当然こちらの話す文脈など理解しようもない。そして、更に問題なのはそれを屁とも思っていないこと。「アンタの言うことわかんねえよ。もっと簡単に言ってくれない？でないと聞く気になれないわ。」自分の能力不足は棚に上げ他人に責任転嫁。そういえば、我が子の成績不振で同じ態度を取る親御も多いですよね。

以下は脳科学関係の本からの引用です。「サルと人間の大きな違いは何なのか。それは抽象的・論理的な思考能力が人間には備わっているということです。（中略）この抽象的・論理的な思考能力は何によって生み出されているか。それはまさしく言語です。（中略）そしてこの抽象的・論理的な思考能力は、いわゆる学力と比例しているのです。学問というものは、基本的には論理思考なくしてはできません。従っていわゆる学力の高い人は、抽象的・論理的思考能力も高い。（中略）ただし誤解のないように言っておきますが、あくまでも学力イコール成績というわけではないでしょう。」

成績云々以前に、基本的な勉強をする土台としての論理的思考力が乏し過ぎるのです。確かにそれでは理科なんてできませんよね。算数ほど重要ではないから理科は後回しでも構わない？いい加減に「それは嘘だ」と白状しちゃいましょう。そんな能力がないだけなんだと。年齢相応の言語能力が備わっていないんだと。言語能力が貧弱では学習面にも大きく影響するのは当然。幼児教育やプリント教材がこれほど充実？しているのに、それらを毎日のようにやらせているのにどうして？とお思いの方もいると思います。答えは簡単。それだけでは足りないのです。生身の人間との言語によるコミュニケーションが不足しているものと思われます。もっとお子さんとお話ししましょう。説教ではなくなるべく聞き出すようにしてくださいね。では、また。