全国統一小学生テスト・正しい成績表の見方③（神戸市北区・西鈴蘭台の進学塾・灘中学受験Academia） #全国統一小学生テスト

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「全国統一小学生テスト」の成績表の見方についての話を進めましょう。今回は小学二年生についてです。二年生は150点満点、時間は30分です。一年生と二年生は答案はマークシートではありませんが、いわゆる「小学校のテスト」のように直接答えを書き込むのではなく、問題と解答用紙が別冊子となっていますから、問題用紙をめくるのにも、解答冊子を開くのにも一所懸命でした。

では、算数。大問1は、9＋6＝□のような形の計算問題が並んでいます。さすがにここは得点率も高いです。大問１の全国得点率は100％に近くなっています。やった！できるぞ！！と思っていると文章題が。面白い問題もありますね。「クッキーを入れてたたくとクッキーがある決まりでふえるポケット」これ、単純な規則性と数列の問題ですが、ちょっと得点率低いんです。

はじめから1,4,7…とか2,5,8…と書いてあるような、出てきた数字を順番に足したり引いたりする学校の「文章題」形式であれば解きやすいのでしょうが、「文章」の中から「自分で」決まりごとを読み解く形になったとたんに？？？となったお子さんも少なくなかったのではないでしょうか。ポケットをたたくとポケットの中のクッキー、割れちゃわない？なんてことは考えてはいけません。（当たり前？）この問題を一番喜んでいるのはクッキーモンスター、彼でしょうか。

大問６、7も子供泣かせだったことでしょう。筋道立てて考える問題です。こんな問題やったことない？やってみようよ！丁寧にまず頭の中で、次は紙に書き留めて思考を視覚化するような作業を。わからないなら答えをみよう？まだアタマの柔らかいこの時期からそんなことをしては、「論理力」がさびついて、そのトビラをこじ開けようとしても開かなくなりますよ。

続いて、国語。大問５の物語文。こんな長い文章読んだことない！だからできない…ダメダメ！あきらめないことも大事だよ。「アニマシオン」という読書法があります。本来は、一冊の本をグループで読み「ある作戦」をします。その本の中からみんなでその「作戦」について話し合いながら「作戦」の課題をまとめていくというものです。

図書館司書の資格を持つ私（当塾教室長）はこれを「ご家庭」でやってみたら、とオススメします。子どもの自由な発想・豊かなイメージ力を育てるためにも、親御さんこそ「共に、そして自由に一緒に」遊んでみてください。「国語の力は読書でつくんでしょ」なんて考えはばっさりすててください。本当の「読書」の世界を知る、ここからスタートです。昨日の「音読のススメ」や、この「アニマシオン」についてはまたこのブログのなかで、説明をしていきたいと考えています。

「心情理解の問題でいつも点を落とすのは、ウチのがは幼いからだワ。今は仕方ないわ。年齢が上がれば解けるようになるはずよ。」と思わないこと。前回も言いましたが、読解力は年齢だけで片付くようなものではありません。普段からどれだけ言語活動を行っているかです。まず言葉。次にも言葉。何よりも言葉。豊かな言葉。言葉の豊かな海の中で、まずは「遊ばせて」みましょうか。

最後に大問６。「パズルをやらせればいいんじゃないの？」知能発育系ですか？違うでしょ！必要なのは言葉の力。言葉も知らないのにパズルをやらせるのは、駒の動かし方も知らないのに将棋を指せというようなもの。見た目ではなく、その本質に目を向けてください。これぞ「論理的思考」ですよ。

似たような問題は灘中をはじめとしてさまざまな私立中学で出題されています。だからと言って、過去問題集の答えを見て解いたような気になるのはいけません。以上を正しく「読解」していただけているのであれば、その理由はもうお分かりですね。お子さんとの言葉のキャッチボール。危険球？にならないよう、親御さんがしっかりリードしてあげてくださいね。

今週は、全国統一小学生テストをテーマに続けます。では、また。