灘中合格も宝くじ？～合格者数分析その２～（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #灘中 #合格実績

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。なんだ、この寒さと雪は！当塾の所在地は神戸でも少し山寄り＝北寄りなもんで、三宮辺りの「下界」と比べると気温が数度低いのですが、それにしても寒過ぎる！2日前に積もった外階段の雪がまだ融け残っていて、陽の当たりにくい北側の歩道は毎朝凍結注意な状態。中学入試が終わった後でホンマに良かったわー。雪国の人から見たら「これぐらいで何騒いどんねん」なんでしょうけど。それでもお迎えの安全を考えて教室を早仕舞いとかしていたんで影響はやはりありました。ブログを更新する余裕もなかったし…（ただの言い訳でしょ！by教室長）

さて、灘中の合格発表から1週間が経過。阪神間では「灘中合格者数の多さ＝1月の勝者」という大手塾（と親御）が多く、灘中の合格実績がいつも注目されるのですが、今年の各塾の合格実績もおおよそ出揃ったよいうです。各塾のホームページから拾った数字を大きい方から並べると、92,64,52,49,30,10,9,5…おっと、これだけで310を超えちゃいました。学校発表は281なんですがね。「繰り上げがあったんでしょ？」という声もありますが、それは流石に考え難いのです。実は昨年2番目のところが未だに数字を出しておらず、仮に昨年並みの数字だとしたらなんと370！前回のブログでも触れましたが、首都圏等の遠方合格者はほとんど辞退するものとして合格を打っており、その見込みよりさらに数十人も辞退者が出ることは有り得ません。まあ、知っている方は知っているという類の話ではありますが、灘のように「看板」効果の高い学校についてはこんなことは半ば常識と言ってもいいでしょう。1人の合格が複数の塾に重複カウントされているという訳です。単純な数字のまやかしですね。

まず考えられるのは、複数の塾を掛け持ちしているという場合。とは言っても、灘受験クラスともなればどの塾でも相当ハードなカリキュラムとなるので、2つとも完璧に受講することなど不可能。よくあるのが「平日の授業はA塾＋土日の志望校特訓はB塾」といったパターン。各塾のいいとこ取りをしようという意図もあるようです。双子で別々の塾に通って両方の教材を勉強するということも聞いたことがあります。意味があるのかどうかは知りませんが。ちなみにその双子は灘を受けて「1勝1敗」だったとか。指導方針の異なる塾の掛け持ち、お子さんだけが混乱する結果になることもしばしばのようです。

掛け持ちとしては、他塾の優秀生を引き抜かないまでも「週1で特別指導」等として「塾生」にしてしまうパターンも。「そんなんバレるんじゃないの？」と思うかもしれませんが、最近は個人情報の関係で外部からこうした重複をチェックすることは難しく事実上野放し状態。それを避けるために、正規の授業がない日に「無料の特別補習」を入れて他塾に流れるのを防ぐといった対策も。こうなるともう「キツネとタヌキの化かし合い」です。「何が何でもライバル塾にだけは負けられない」と、他塾の数字が出た後に決まってそれを上回る数字を出すなんてことが当たり前のように横行していた時期もありました。エリアの異なる塾どうしが「提携」と称して、お互いのエリアに優秀な受験生を融通し合って、お互いに合格実績を「足し算」する手法も。ホンマにいろいろと考え出すもんやわ。特殊〇〇並みやね。

「なんでそんなことまで？」その答えはカンタン。大部分の親御の意識が「数字＝〇月の勝者」だから。頭から冷や水をかけるようで申し訳ないのですが、灘や開成に100名、200名合格させる塾に通ったからといって、なんで自分のお子さんがその中に入れるはずだと安易に思えるのでしょう？宝くじと同じ？1等がたくさん出ている売り場で買うっていうのと同じ？宝くじなら確率の問題で済みますが、受験はそうはいきませんよ。たとえ最高の学習環境を与えたとしても、お子さんがそれをこなせるだけの耐性がなければその時点で終わりです。親が教え込んだところで状況は変わりません。入試を実際に受けるのはお子さんなんですから。「中学受験は親の受験」の意味を履き違えないように。そして、カンタンな数字のまやかしにあっさり引っ掛からないように。では、また。