「映像」でも「魚釣り」は学べるよ（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #オンライン授業 #映像授業

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。私立校では既に入学式が行われたところもあります。ここ数年は春の進行が早くて入学式の時には桜がもう終わっていたのですが、今年は幸い桜花爛漫で昔ながらの「入学式with桜」となったようですね。新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。一方では未だコロナ収まらず「第7波」が現実となれば、いつまた「オンライン授業」や「映像授業」に逆戻りするかがまだまだ心配なところですよね。

それでも、時間が経ってある程度ノウハウやシステムが構築されてきたことで、コロナ流行初期のような混乱もなく「オンライン授業」や「映像授業」が行えるようになってきたのもまた事実。学習塾では「生授業」の代替ではなく、選択肢の一つとして「オンライン授業」や「映像授業」を用意して「フルラインナップ」と称するところも。厳密には「オンライン授業」と「映像授業」はまったく同一ではありませんが、「生授業」の対義語（？）という点では同類でしょう。

さて、「生授業」の代替として「映像授業」が始まった頃、保護者からは「『生授業』の代わりに『映像授業』？それで授業料は同じなんて納得いかないわ。授業料を下げるべきだわ！」という声が上がりました。そこには「『生授業』は『映像授業』より付加価値が高い」という考え方があると思うのですが、では「映像授業」にはなくて「生授業」にだけある付加価値とは一体何なのでしょうか？明確に答えられる方、いらっしゃいますか？

学習塾に通われる方の一番の目的は何でしょうか。それは「学力向上」でほぼ間違いないでしょう。その先に受験が控えているのであれば「志望校に合格するだけの」という修飾語がつくのでしょう。その土台作りとしてテキスト内容を解説・指導するという点では「生授業」も「映像授業」も大して変わりはありません。中途半端に力量の乏しい講師の「生授業」を受けるくらいなら、経験豊富な講師の「映像授業」を見る方がよほど役に立つなんてことだっていくらでもあります。

私（当塾代表）も「映像授業」をかなり経験させてもらいました。授業進行を前もって段取りしたものを所定のフォーマットにまとめ、撮影スタッフにそれを渡して簡単に打ち合わせした後、マイクテストや映像調整をして本番。カメラ目線を外さない、規定の時間に収まっているかタイマーで確認する、声の大きさを適切に保つ、うっかり言い間違いをしない、授業が単調にならぬようメリハリをつける…やはり「生授業」とは違う気の遣い方も必要で、カメラの向こうに生徒がいることを常に意識しながら、こう言えばこういう反応が返ってくるだろうと頭をフル回転させて授業をしていました。

「でも、質問したくても映像だとすぐできないのよね。」確かにそれが「映像授業」の最大の弱点。しかし、今どきのお子さんで「授業中に質問」するほど積極的に授業に参加しているのがどれだけいるのでしょうか？これは「オンライン授業」でも大して変わりません。会社のオンライン会議を想像してもらえればわかるかと（笑）「それは授業する側の力が足りないからだ」と随分ご立派なご意見をされる方もいらっしゃいますが、自らの仕事に真正面から取り組んでいる方は「自分の伸びしろ＝欠点」を知っているので、間違ってもそういうことは言わないもの。塾講師でもそんなことを平気で言うのがいますがね。「1回授業を聞いただけで何もかもわからせることが理想だ」というような塾講師には習わない方がいいでしょう。

実はそれは「解法を知識として教えている」だけ。お家での「パパ先生」もよくやる勘違い。「塾よりもパパの方がよくわかる～」というお子さんに限って伸びないのもそこんところが原因。それ、パパがお子さんの代わりに問題を解いて正解を教えてあげているだけ。本当にわかるためには「何度も何度も聞いて、間違えて、直して、自分のアタマで考え抜いて」正解にたどり着く必要があるのです。「経験豊富な講師」とは「魚を与えるのではなく魚釣りの仕方を教える」ことの大切さを知り尽くしている講師のことを指すのです。「映像授業」の話、もう少し続けましょう。では、また。