卒業式・変えぬべきものと変えるべきもの（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #卒業式 #バランス感覚

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。神戸市内の公立小学校では昨日卒業式が行われました。一部の学校では早速卒業アルバムが貰えるところもあり、間もなく卒塾する塾生が持ってくる卒アルをちょっと見せてもらうこともあります。構成自体は、ほとんどの学校でそして今も昔もそう大きく変わらないという印象ですが、写真の中の様々な表情を見ていると何となく「どんな校風なのか」が見えてくるもの。違う学校を見比べてみると、その学校の持つ雰囲気や子どもたちの個性の違いまでもが手に取るように感じられ「マジ、いとをかし」です。

構成がほとんど変わらないといえば、ちょっと前までの卒業式もそうだったのではないでしょうか。校長や来賓の無駄に長い祝辞、歩き方や手の出し方のまで異様に拘る卒業証書授与、卒業生と在校生の機械的な定型文のやりとり…昔から引き継がれるそれはそれは厳格に定められた式次第が延々と続く。それだけでなく、その式次第を滞りなく進めるために、これまた相当の時間が練習に費やされ…現代の「通過儀礼」とはいえ、ここまでする必要がどこにあるのかと思うくらい。まあ、1回こっきりのことなので時間が過ぎるのを待っていればいいだけの話なんでしょうけどね。

さすがに少しばかりの変化を求めて、成人式や大学生を真似てか、小学校でも女子の羽織袴が流行しましたが、これも「見栄を張って変に派手になり過ぎ、各家庭の経済格差が見えても困るから」と禁止する学校も少なくないと聞いています。「運動会の競走で順位をつけず、最後はみんなが手をつないで同時にゴールする」という変な平等意識と同じ考え方なのでしょうか。「お上というものは、変えなくてもいいことはホイホイと変え、変えてもいいと思うことは何故か頑なに変えない」などと感じるのは、むしろ私（当塾代表）こそが天邪鬼だからなんでしょうかね？

それでも「兆し」はあるようです。ある小学校では、コロナの影響により従来の形式では難しいということで、思い切って卒業式を30分程度に短縮することにしました。卒業式の本来の意義を見つめ直し、必要最小限で構成し直したのだそう。もちろん長い無駄話も無し。それだけでも子どもたちには嬉しいでしょうが、効果は他にも。卒業式のための予行演習をそれほどしなくても済むようになったため、その分を卒業間近の思い出作りの時間として大いに活用することができたのだそうです。昔から受け継がれる伝統を守ることも決して否定しませんが、ちょっと視点を変えるだけでより有意義な有形無形のものが生まれるという好例ではないでしょうか。

先日こんなニュースが。「保護者や指導者による過度の勝利至上主義を排するため、小学生の柔道全国大会を取り止める。」賛否両論起こりましたが、トップアスリートからの賛意が結構多かったことは決して無視できないと思います。柔道という最も「保守的」とも思える世界からというのも驚き（こういう考え方も偏見かもしれませんが…）ですが、極端な意見に固執することなく、まずは頭の中をリセットしてから、情報を自分なりにフラットに収集・整理して考えることが正しいのではないかと思います。要はバランス感覚ですね。

でもこれが結構難しい。バランスを取ろうとすると、極端な意見の持ち主にとっては「格好の餌食」右から見れば「左寄り」に、左から見れば「右寄り」に映るため、両方からの攻撃を受けることになりかねません。親に当てはめれば「偏差値至上・学歴至上主義」と「受験制度撤廃・（悪）平等主義」、塾に当てはめれば「合格実績至上主義」と「楽しく通い続けてくれればそれだけでよい主義？」とでもなりましょうか。当塾？もちろんこの4つには当てはまりません。ウチが正しいと思う着地点（バランス）を探りつつ、極論をお持ちの方の理不尽な要求は断固突っぱねますから。そこんところ夜露死苦。何はともあれ、ご卒業おめでとうございます！では、また。