中学受験の「セカンドオピニオン」⑤（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #受験相談 #灘中

神戸市北区・西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。当塾に中学受験の「セカンドオピニオン」を求めて、受験相談に来た母親のお話もいよいよ最終回。では、当塾からの最終診断をお伝えすることといたしましょう。（赤は当塾、黒は相談者）

「図星ですね。『今の塾にいさえすれば、ウチの子は灘中に入れるはず。』と、ご両親揃って思い込んでいるのでしょう。塾の面談で『このままいけば…』と言われたのが余程嬉しかったのでしょうが、入塾させるためだったらそれくらいのセールストークはしますよ。むしろ『カモねぎ』と思われたのでしょう。表情に出ていたのではないですか？」

「…」

「それで実際どうなったのですか？小5になって『このまま』いかなくなってきたのでしょう？ということは『このままでは灘中はちょっと…』というのが、その塾の本音だということです。その塾の立場で言えば、仮にあなたのお子さんが灘中に届かなくても、誰かが代わりに灘中に合格してくれればいいのですから。後からアナタのお子さんを抜いていった別のお子さんたちが。」

「そんな！あんまりじゃないですか…」

「では、自分のお子さんが灘中を不合格になったらどうされるおつもりですか？」

「どうしてそんなこと考えなくちゃいけないの。不合格のことを考えるなんて、ウチの子がかわいそうです！」

「子どもがかわいそう？そこまでおっしゃるのなら、こちらも最終診断を申し上げましょう。ご両親がその考えを改めないのであれば、お子さんがしんどくなるだけですから、中学受験自体おやめになった方がよろしいでしょう。」

「ウチの子はやればできるんです！今はちょっと躓いているだけで…」

「それがお子さんを傷つけているだけだ、というのがまだわからないのですか！テストを見ればお子さんが精一杯頑張っている『跡』があります。決して投げ出してはいません。お子さんも苦しんでいるのです。自分なりに懸命にやっているのに、これでは両親に納得してもらえない。『上だ、下だ』『やった、やられた』『0点だ、100点だ』…自分のお子さんをゲームのキャラクターとでも思っているのではないですか？自分は外にいるプレーヤーで、実際戦っているのはキャラクターであるお子さん。そのお子さんが勝てば名誉はすべて自分のもの…自分のお子さんであっても、決して自分の分身ではないのですよ。」

「言われなくても、自分の子どものことは私が一番よく知っています！」

「その姿勢がダメだと言っているのです。『自分の子どものことは一番よく知っていて当然』というのが、この上なく傲慢だと言っているのです。自分の考えに沿うとなれば、たった一人のママ友の言葉を無批判に受け入れるのに、自分の考えと違う意見となると、そうやって感情的に拒絶する。そこまで今の塾にこだわるのは、合格の『確約』『保証』が欲しいというのが本音なのではないですか？それがあり得ないことだと、心のどこかではわかっていても。」

「主人と同じ灘中に合格することが子どもの幸せなんです。」

「そこまで言い切るとは…まるで宗教ですね。今はその合格自体が厳しいと言っているのですよ。お子さんを苦しめている原因が、テストの点や順位にこだわり過ぎるご両親の態度にあると申し上げているのです。お子さんが心から灘中に行きたいと思って、自ら勉強していこうという強い意志が絶対に必要なんです。もっとお子さんを信じてやったらどうですか。小学生の場合、意志を持った途端に生まれ変わったように成績が上がり、見事逆転合格した例はいくらでもありますよ。」

「でも主人がいないと…私は教えられませんので…」

「だから、教えなくてもいいと言っているんです。一人でさせてください。合格したいという気持ちが少しでもあれば、最初はもたもたしていてもやり始めますから。」

「でも、今までやってきたことが無駄に…」

「まだわからないのですか？今までやってきたことが既に無駄なんです、今のやり方では。『塾の成績を上げる方法を教えてほしい』ということ自体がナンセンスなのです。『あなたは重病ですよ』と言っているのに、『私はただの風邪だ。だからつべこべ言わずに風邪がすぐ治る薬を寄越せ！』ではどうしようもない。それに似ているのですよ。私どもが申しあげられるのはここまでです。よく考え直して、お子さんにとってベストな方法を採ってあげてください。」

決して他人事ではありませんよね。中学受験に対する考え方やお子さんへの接し方を振り返ることも大切です。中学受験の「セカンドオピニオン」のお話はここまで。では、また。