神大附属・「桜御影」に秘められた心の奥？（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #神大附属 #適性検査 #ポートフォリオ

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。神大附属に行く途中には「深田池公園」という小さな池を囲んだ公園があります。その公園の桜も見事なことで知られます。松の木も植えてありますね。御影と桜といえば「桜御影」という桜色をまぶしたような「石」があります。中国や国内では岡山県等で掘り出されているそうです。私（当塾教室長）は、その石で作られたイヤリングを友人に見せてもらったことがありました。おばあさま形見の品だとか。

薄いピンクと灰色の石の調和がステキで、オパールやエメラルド、真珠などの「宝石」は知っていても、或いは「カレにもらったノ」等と見せてもらったことはあっても、「桜御影」という名の「石」もその加工品も初めて知ったのでした。桜の花の塩漬けをまぶしたような「桜御影」の輝き。心の奥にそっと秘めたものの様な。古典大好き！の私はこんな和歌が、思い起こされました。

わが袖は　潮干に見えぬ　沖の石の　人こそ知らね　乾く間もなし

この御影の地で掘り出された本御影石が代表的な銘柄として全国に知られたことで、日本では花崗岩を「御影石」と呼ぶようになったのだとか。ちなみに阪神電車の御影駅の西隣に「石屋川」という名の駅があります。同じく桜の名所で知られる「石屋川」ですが、掘り出された御影石を加工する石材店が軒を連ねていたというのが「石屋川」の名の由来なのだそう。六甲山系の花崗岩である御影石、それに因んだ御影周辺の葉桜を愛でながら、来年の神大附属中の入試変更点を更に見ていきたいと思います。

一般適性検査を神大附属中が初めて実施したのは2015年。当初から「グローバル人材の育成」を掲げていました。同校がどんな教育を入学後にするのか、具体的にこの学校を受検される方のどのくらいがご存知なのでしょうか？「お金がかからない。6年間で120万で済む。」「私立に行かせるより安くてカッコイイ！」なんてところが本音ですよね。まあ、それでもいいんですけど…でも、安易に考えてはお子さんが潰れてしまうこともありますよ。蓋を開けてみれば、男子は六甲、関学上位クラス、女子は神戸女学院クラスでないと手が届かないという結果でしたから。

来年度適性検査から「作文」「調査書」に代わって提出が求められる「学びの報告書」これ何だと思いますか？学校からはこのように通知されています。「『学びの報告書』本校で学ぶ適性を判断するため、児童がこれまでに努力・工夫・苦労して取り組んできたこと（結果の成否は問いません）を日本語で表現します。」さあて、「神大附属対策コース」等と銘打って塾生集めをしていた大手の進学塾さんたち、これまで指導の目玉にもなっていた「作文指導」という文言をどうしましょうかね？

振り返ってみれば、「作文」は神大附属が面接試験の「代わりに」始めたものでした。しかし、それが入試科目となってしまったら「傾向と対策」まみれにはなるでしょう。判で押したような「良く出来た作文」だらけになって差がつくようで差がつかない。作文を点数化するとそうかもしれません。来年度からのポイントは「本校で学ぶ適性を判断するため」この表現です。ヘタに誤解してしまうと「これさえしっかりしていればいいのね。ならば、ウチの子はテニスで全国大会に出たことがあるからこれで合格できるわ！」という方も出てくるでしょうか。

確かに、最近の大学入試や就職試験で必要とされる「ポートフォリオ（＝自己アピール）」に似ているのかもしれません。「小学校時代に子どもが自分で取り組んできたことなら何でもいいんでしょ？結果の成否は問わない、って言ってるんだし…」と軽く考える向きもあるかもしれませんね。さて、この変更をどう捉えればよいのでしょうか？当日の「作文」よりも更に対策が立てやすい出願時の書類提出であること、「作文」「調査書」の計60点から「学びの報告書」40点へ配点が減らされたこと、学校がじっくりと採点することが可能になったこと…この辺りにヒントがありそうです。まるで「桜御影」の輝きにそっと秘められた心の奥のように。その話は次回に。では、また。