灘中・「桜嘆歌」でも「いいんだぜ」（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #灘中 #桜 #中島らも

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。気がつけば4月ももう半ば。来年の阪神間の統一入試日である2022年1月15日までちょうどあと275日。桜どころじゃない、なんて親御さんの声が聞こえてきそうです。当の受験生たちは新学期が始まり、最高学年の6年生。チョットうかれたりもしている時期かもしれません。「今回の試験の点数は何なの！しっかり勉強したの？」というお母様の怒声とバツの悪そうなお子さんの顔。「だって難しかったし…」まあまあ、お子さんが絞られるのは塾でだけにしませんか？親御さんが焦っても仕方のないこと。塾から帰宅した途端に「計算マスターの確認テスト」では、びっくりして桜の方から素通りですかね。

「きれいだよ、学校の桜！全校集合」トリは灘中学校の桜です。灘中学校の脇を流れる住吉川周辺は、川沿いに桜が美しいところ。住吉川を下って、阪神電車の魚崎駅からほど近いところにある「住吉川公園」は河津桜の名所です。また、住吉川の上流には白鶴美術館もあります。その周辺は「阪神モダニズム」という独特の文化が開いた土地でもあるのです。でも、灘校出身の作家である中島らもはこの周辺の桜のことはほとんどエッセイに残していません。岡本周辺の「金鳥山」のこと、芦屋川のこと等はいくつも書いているのに。そのかわり、幸福であった幼年期のころの思い出に、桜がこのように登場します。

「歯科医院の入口は二平方メートルほどの露天の三和土になっていて、そこに一本の小ぶりな桜が植わっていた。道往く人はこの桜の花の具合によって、季節の如何を知るのであった。そしてその花も終わりという頃にもなって、おれと兄とはその花吹雪の中で遊んでいたのだった。」『ロバに耳打ち』より

中島らもの灘校での思い出は、「甘酸っぱいもの」であると同時に桜の持つ「しょっぱい苦味」だったかもしれません。「桜の塩漬け」が乗った桜あんぱんのように。それは、らものそれからの作家人生等の「へそ」になったのかもしれません。中島らもは音楽活動もしていて、自分のバンドをいくつか持っていました。作詞作曲もらも、ボーカルもらもです。中島らもは灘校在学中に「ごねさらせ」というバンドを組んで、好きなように歌っていたようです。その頃の思いは作家になっても変わらずにいたようで、本当にやりたいことは音楽活動だったのかもしれない、と私（当塾教室長）は思います。

らもは「桜嘆歌」という曲も残していますよ。そんな曲を聞きながら住吉川沿いを歩いてみましょう。超進学校である灘中に合格した子の様々な「その後」。それをじっと観ていた灘校周辺の桜は、灘校生の「光であり、影であり、自分自身である」のかもしれません。そうですよね？塾長。え？自分は阪急の岡本駅から歩いたクチだから、住吉川の桜のことはあまり印象に残っていないですって？まあ、灘中生にはこんな人もいるということで…「桜嘆歌」でも「いいんだぜ」次回はそんな灘中の今年の試験問題から。では、また。