♫中学受験を知らない親御たちさ～⑤（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #公立高校受験 #残念な親

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。ちょっと間が空いてしまいましたが、ブログ501回目始めます。499回目の予告通り（？）「塾に『コストパフォーマンス』だけを求める親御には、更にある共通点が見られます。」の話です。

中学受験の経験が無く公立高校受験が人生初めての受験だった親御さんは、どうしても中学受験を「公立高校受験の感覚」で捉えがちです。公立高校入試でも一部高倍率の推薦入試なんかもありますが、一般入試は基本的にほとんどが合格するものと考えてよいでしょう。安全志向が働き過ぎた結果、上位校なのに定員割れを起こして全員合格なんてことも。

首都圏や阪神間の難関私立中でそんな事態になることはあり得ません。今年の灘中は実質倍率がほぼ3倍。3人に2人が落ちるんですよ。開成中も同様で、筑波大附属駒場中に至っては4倍超。もはや「落ちる方が普通」と言ってもいい。それも少数の「名誉受験組」（＝どうせ落ちるのなら難関校を落ちた方がカッコがつくなどと考えて難関校を受ける愚か者）を除いて、それなりに学力に覚えがある受験者が集まった上で、です。こう言っちゃなんですが、やはり経験者でないとなかなか理解できない世界だと思います。

公立高校受験向けの塾は「浅く広く」生徒募集をします。なんたって「パイ」は最も大きいのです。しかし、それ故に高月謝の「高級店」という訳にはいかない。正直言って公立高校受験で「個性」なんてほとんど要らないし、参入障壁も低いから競合相手もわんさかいる。「大衆店」で生き残るしかない。同じ合格するなら安い方がいい。最近は入塾時期もどんどん「後ろ」倒しで、中3で部活を引退してからなんてのも珍しくありません。それでも、第一志望の合格はさらさら譲る気はないのです。「アンタんとこを選んでやったんだから、当然合格させてくれるんでしょうね。」が本音でしょ？

そんな公立高校受験の感覚しかない親御が、何かのはずみで子どもに中学受験をさせるとなったらどうなるでしょうか？そうです。「塾に『コストパフォーマンス』だけを求める親御」になるのです。まずは月謝。お習い事と同じ金銭感覚の方もいて、中学受験の相場を聞いて気が遠くなる方も。でも、高い安いだけの問題ではないのです。中学受験の勉強をあまりにも安易に考え過ぎる親御が多いのです。

正直言って、公立高校の受験勉強はどこまでも検定教科書の範囲内。新傾向問題や記述問題、思考力を見る問題が増えたなどと言っても、その原則は絶対崩れません。だから、そこそこ真面目にやってさえいれば、そんなに苦労せずともそれなりに学力が上がります。しかし、中学受験はまったく違います。中学受験用のテキストを見ればわかると思いますが、教科書内容と比べること自体がナンセンス。難関校突破にはこれでも足りないんですけどね。

だけど、そこがわからない「残念な親」は「授業を受けたらすぐにできるようになるんでしょ？でなきゃ、高い授業料払う意味無いじゃん。」とくる。何でもかんでも「すぐに」「簡単に」「楽に」できるようにしてくれるなどと思っている。子どもが「楽しみながら」成績が上がるのがいいなどと思っている。「必死に努力して合格を掴み取る」なんてダサい。「ウチの子は（頭が良いから）そんなに頑張らなくても合格したわよ」と言いたい。そんなところじゃないですか？

本来、塾でやることは「合格に必要な学力を『自分の力』で身に着けさせる」ことのはず。それは、その学校で学び続けるのに必要な力と考えてもいいでしょう。いくら中学受験を知らないからと言っても、その辺りをまったく理解せずにお子さんの中学受験を成功に導けるはずがありません。知らないなら知らないなりに親御さんだって「勉強」してください。我が子に中学受験をさせる「意味」くらいは堂々と話せるように。では、また。