【2020年入試】国語の傾向と対策~灘中編②~ #中学入試 #国語 #灘中

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2020/02/24 【2020年入試】国語の傾向と対策~灘中編②~ #中学入試 #国語 #灘中

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。2020年度灘中入試国語問題について、もう少しお付き合いください。

 

安田夏菜さんの『むこう岸』は2018年に講談社より出版されました。中学入試国語には比較的新しい著者の作品が用いられます。じゃあ、そんな作家たちの問題を集めた問題集をやればいいのね?ってわけにはいきません。なぜなら中学入試問題の国語読解は、ある意味リアルな体験を入試の場でさせることだ、と言えるからです。そして「対策」ではできない「その子の考え方」を答えさせるのです。勿論そこで道徳的な答えを求めているわけではありません。いかにも現代的な問題提起を作問の中でして、視点の異なる立場でどのように答えるか。灘中二日目の大問二が、『むこう岸』からの出題です。その設問を追っていくと…

 

問三(傍線)部3「絶句した」とありますが、それはなぜですか。理由を説明した文として、最も適当なものを次のア~オから選び、記号で答えなさい。

ア 母さんのことが大好きなのに、ほかの人に好意を寄せているとかんちがいされたから。

イ 佐野さんが苦労していることについて、母さんは何とも思っていないようだったから。

ウ 社会の調べ学習で、生活保護の制度について調査を進めていたことを否定されたから。

エ 受験勉強とは全く無関係で無駄なことに、うつつをぬかしているように思われたから。

オ 「ぼく」が佐野さんに対して、特別な好意を持っているのではないかと疑われたから。

 

問六(傍線)部6「プライドというより優越感だ」とはどのようなことですか、答えなさい。

 

問三の選択問題ですが、よくある「選択肢問題の解法」例えば「設問にある作問者の『意図』を汲め!」や「見ただけであり得ないと思われるものにはすぐ×を!」等を試す前に、この選択肢の内容自体いかがお考えですか?アやエなど。これが入試問題?「『受験勉強と全く無関係な』無駄なことに」…ってアノネ。「母さんのことが大好きなのに」…そこのお母さん、ドキッとしましたか?問六においては「プライドと言うより優越感」って…入試問題として当日これを読み取っていくわけです。問題の冒頭には「リード」があって、そこで物語のそこまでの内容が簡単に語られています。その部分からこの主人公がどのような立場に置かれていて、今の様子等が語られているのですが、まるで受験生に「受験後のこれから」を問いかけているような、とでも申しておきましょう。

 

違う立場に立って、視点を変えて、人物の気持ちを考えてみる、この「想像力」は開成中でも問われていました。2020年の問題の一つは『君たちは今が世界』朝比奈あすかさんの著書からですが、開成中は男子校でしょ?でも、この物語は女子目線中心で語られていますし、設問もその時の女子の気持ちを答えるなど「立場の違う目線」の想像力が必要なようです。では、これらの問題にはどう「対策」すればいいの?はいはい、そこのお母さん、その姿勢がダメだと言ってるんです!これだけ「思考力」が大切だと言われているのに、まだ気がつかないのですか?「対症療法」のパターン学習で「対策」できる問題だけではないよ、という灘中や開成中からのメッセージを。

 

今年の開成中は算数が難しくなって、国語が得意な子が有利だったとのこと。相変わらず社会の「東京問題」(江戸川区のハザードマップについて。過去には都営地下鉄大江戸線の問題も。関西人からしたら「知るか、そんなもん!」)もあったので、算数ゴリゴリの関西受験生には厳しかったかも。「灘中は入試に社会がないから、こんなことできないでしょ?」と言わんばかりの、開成の〇〇の〇の小ささもさることながら、とにかく「数を稼ごう」という全国チェーンの大手塾や「遠距離恋愛」ならぬ「遠距離提携」で実績を足し算している大手塾の方々、その手法にいつまで頼るのですか?「騙される」親御がいる限り?救われないねぇ…では、また。

 

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