プレテスト上手に使ってる？③（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学入試 #プレテスト #合格可能性

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。阪神間私立中の統一入試日まで「あと41日」昨日は大阪桐蔭中で「プレテスト」が実施されました。ここの「プレテスト」は、受験料がなんと5,000円！阪神間の中学受験用模試である五ツ木駸々堂模試（一般）より高い値付けなのですが、毎年数百名の受験者を集めていることでも有名です。大阪桐蔭中が近年大きく飛躍してきたのはよくご存知の方も多いと思いますが、この「プレテスト」が牽引してきた面もあります。

そんなこともあってか、学校の力の入れようも相当なもので、テスト終了後に配付される「プレテスト問題・解答・解説」冊子は60ページを超える本格的なものですし、「結果は翌日から返却」とアナウンスされます。ということは、関係者は徹夜作業のはず。入試までの期間や作業スケジュールを考えれば、12月にプレテストを実施するのはかなりキツイはずですが、この学校はそれを一切厭わない。確かに、合格可能性や特待資格の判定のことを考えれば、なるべくテストは入試時期に近い方がデータの信憑性が増しますし、意識の高い受験生を集めやすくもなります。「受験料5,000円」にもそんな意図があるのでしょう。現場の先生はメチャクチャ大変でしょうが…

「青田買いのフライング入試」との批判もあるプレテストですが、志望校のプレテストはやはり貴重な機会。学校の教室で本番さながらのテストを受けられ、さらにデータが得られるばかりか、それを基に学校からアドバイスが貰えることもあるのです。最後の入試相談会でも重要なデータとして使われます。生徒募集の活動が熱心な学校では、テスト結果を持って受験生の塾を訪問して、最後の一押しをするところも。

そういうことから、「プレテスト」の結果が決して芳しいものではなくとも、そこから巻き返しを図ることだっていくらでも起こり得ます。プレテストではボーダーにすら足りないとされた子が、ほんの1、２か月後の入試で上位コースへの合格を勝ち取った例もあります。入試相談で厳しいことを言われ泣いて帰ってきた子が、心を入れ替えて受験勉強に取り組み、合格発表では今度は嬉し涙…なんてことも。「プレ」テストなんだから失敗してもいいのです。それを糧にできるのなら、まだまだチャンスはあります。

ですが、中には「プレテスト」の結果だけ見て、すべての判断を下すような親御もいるようですね。塾でのテストでも同じ姿勢だったのでしょう。点数だけがすべて、偏差値だけがすべて、上のクラスに入ることだけがすべて…プレテストがダメだったから、もうこの学校は受けさせない。どうしても受けたい？何言ってんの、だったらもっといい点取りなさいよ。入試で不合格になるくらいなら受けないでよ、みっともないから…

もちろん、これまでの姿勢が悪過ぎてとても合格が望めないというようなお子さんもいるでしょう。でも、正しい形で過去問を演習していれば、合格可能性はかなりの確度でわかります。プレテストで失敗したというのなら、少なくともその原因くらいは話を聞いて探ってあげてください。それがリカバリー可能なものかどうかくらいは考えてあげてください。その上で、その学校を受験するかどうか判断してあげてください。尤も「無料の模試代わり」で受けただけというのなら、その限りではありません。ただ、「プレテスト」に込められた学校の想いを考えると、その「軽さ」に何だかなぁ…と感じざるを得ません。では、また。