プレテスト上手に使ってる？②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学入試 #プレテスト #模試代わり

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。大阪の「成功」を見て、兵庫の学校も重い腰を上げた「プレテスト」ですが、その後続々と実施する学校が増えてきたところを見ると、やはりデメリットよりメリットの方が大きいのでしょう。現場の先生方からしたら、作問が増えるだけでも大きな負担。私（当塾代表）も模試の作問をすることがありますが、これが結構大変なんです。

思いつくままに問題を作ればいいってもんじゃなくて、受験者のボリュームゾーンに当たる子どもの学力を鑑みながら、想定平均点になるよう問題の難易度を調整する必要があります。易しいものから難しいものへとなるべく段階的に設定することが望ましいとされます。正答率が100％や0％に近い問題ばかりだと、受験者の間で差がつかなくなりますから。ましてや、それが学校の顔でもある入試の「プレテスト」であれば、これまでの出題形式や傾向にも気を配りつつ、まだまだ受験生が「受験勉強の途中」であることも考えなくてはいけませんから、気の遣い方は並大抵ではありません。本番より易しすぎては練習になりませんし、難し過ぎては受験生の受験意欲を削ぎかねません。学校が得たい貴重なデータにもブレが生じてしまいます。

さらに、入試本番では「合否」を示せばそれで済みます（灘中のように成績開示をするところもあります）が、「プレテスト」ではその性質上、受験生に何らかの「情報」を示すことが求められます。テストの得点、順位、偏差値、合格可能性、問題の正誤、問題毎の正答率、今後のアドバイス等々、この辺は学校の個性が表れますが、模試顔負けの資料が貰える学校も少なくありません。噂では、大手塾から旧式の資料作成システムを譲ってもらって「プレテスト」を実施している学校もあるのだとか。いずれにしても、採点、集計、出力、郵送準備とその労力はパねぇっすね。一部有料の学校もありますが、これだけの労力を要する「プレテスト」は基本無料。これで生徒募集に繋がらないのなら、これほど割に合わない「募集イベント」もありません。

では、そこまでするメリットは何でしょうか。一番のメリットは「学校に足を運んでもらって、学校を知ってもらうこと。」でしょう。確かに、文化祭等の学校行事を公開することでも「集客」はできますが、物販の店舗ではないので「参加して楽しかった」だけでは不充分。「この学校にぜひ通ってみたい」「通わせてみたい」のためには、やはり「学校としての信頼感」が不可欠。「学習環境としての学校の姿勢」が支持される必要があります。入試に繋がる「プレテスト」は、そこをアピールする場としてうってつけでしょう。ほとんどの学校では保護者対象の学校説明会も同時に実施されていて「営業活動」にも余念がありません。「今まであまりよく知らなかったが、プレテストで足を運んだら好印象だったので受験を検討したい。」となることもしばしば。学校としても力が入るのは十分に理解できるところです。

ただ、「無料の模試代わり」という程度の意識しかないのか、「プレテスト」を充分活かしきれていないのでは？と思われる受験生も多いような気が。思い当たるフシはありませんか。次回はそこをツッコんでみましょう。では、また。