全国統一小学生テスト・「甘やかし」の罪と罰（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #全国統一小学生テスト #甘やかし #オコチャマ

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。全国統一小学生テスト「対策授業」について書いてきましたが、気がつけば当日まであと2日。「対策授業」で見えてきた「格差」の話をしているうちに、ここ最近の小学生の変化についてずっと気になっていたことを思い出しましたので、今回はそのことについてお話しします。

先日、私（当塾教室長）が教室に向かっている某電車内でのこと。私の向かい側のロングシートに小学3、4年生くらいの男の子とそのママらしき人が座ってきました。ママは手に茶色い某塾の名が記された、中に公開テストの結果が入っていると思しき封筒を手にしています。座るなりテスト結果をその子に見せて、「この点数の…」「できなかったのはどの問題なの」などのやり取りが聞こえてきます。バツの悪そうなオコチャマ。テストの資料を広げながらさらにママは「もっとここをこうしたらよかったのに」「ここが…」などとビシバシと塾のセンセイ顔負けのアドバイス。「家でやってくれよ」と思いつつ、私は興味津々で聞いていました。思うような結果ではなかったのか、オコチャマはそのテストはなかったことにしたかったようです。

いっそなかったことにしてあげれば？と思っていると、ようやくやり取りも終了した模様。オコチャマはリュックからペットボトルを取り出して口に…次の瞬間、どうしたと思いますか？皆さん。横にいるママの「胸」に深く深く顔を埋めたのです。イヤイヤをするような仕草とともに。ママもママで「はいはい、どうしたの？大丈夫よ。ママはここよ。」といった風に、ニッコリと微笑んでオコチャマをぎゅっと。はぁ？と思う間もなく、その次の瞬間には「何事もなかったかのように」親子でスマホをいじり出し、多分ゲームの画面でしょうか、二人で覗き込んでは歓声を上げ、落胆し、また歓声を上げ…そうこうする内に、とある駅で下車していきました。「ママ、ママ」という声とともに。

このような光景に以前はびっくりだった私も、この2、3年の間、子どもたちとその親御の様子を見ている内に「さもありなん」と思うようになってしまいました。なぜかって？テストや講習時のイベントなどで、このような光景を見ることが珍しくないからです。ママ「どうだった？難しかった？」オコチャマ「…」ママ「どうしたの、え？」オコチャマ「…」ママに駆け寄り胸に顔をうずめる、あるいはママの背中に隠れる。ママ「あらあら、どうしたの？」と言いつつも、甘えられることに満更でもない様子。まるで「私はこんなに子どもに優しい良い親なのよ」と自己満足しているかのように。これ、全国統一小学生テストでも「対策授業」「テスト本番」「成績表返却」で何度となく繰り返し見た光景。断言します。その中には「できるお子さん」は皆無でした。

かつては人前で子どもが甘えようものなら「みっともないから止めなさい」だったと思うのです。家の中ならいざ知らず、他人の前でそれをやられたら、それこそ「普段どんな教育や躾をしているのか？」と言われかねない。少なくとも親が「恥ずかしい」ことだと受け止めていたのです。また、それを親御が許したら、子どもの方は「都合が悪くなったらこうして甘えれば許してくれるんだ」と「学習」してしまいます。大きくなればわかるはず？そうでしょうか？社会人になってからも同じことをしている元オコチャマ、決して少なくないと思うのですが。

躾と称して虐待に至る親の例が多いせいか「お子さんはのびのびと甘えさせて育てましょう」という専門家？の言葉を、その意味もよくよく考えずに鵜呑みにして、とにかく子どもがやりたいように、泣かないようにしていればいいのよね、という「残念な親」が増殖しているようです。そして、いよいよそんな世代が「中学受験する子の親」に参入してきているのでしょう。大学入試改革では「民間英語検定の導入先送り」などという大失態こそ犯していますが、現状の日本の子どもの体たらくを見るにつけ、世界どころかアジアでもどんどん地位が低下しているのをもはや見過ごせないと今般の教育改革が始まったのです。幼児から低学年における「甘やかし」いつまでアナタは続けるつもりですか？では、また。