灘中入試説明会・番外編（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #灘中 #入試説明会

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回は「灘中・灘高入試説明会」の番外編として、私（当塾教室長）が感じたことを勝手に書いていきます。

灘校の「自由」について皆さんはどのようにお考えでしょうか。「好きなことを何でもできる」「何をやっても自由で、自主性が育つ」など、まるでお題目のように皆さんおっしゃいます。では、その「自主性」さあ、学校生活のどんな場面で？体育祭やイベントを生徒主体で進行する、「〇〇オリンピック」に自主的に参加する…でもこれだけなら、今は他の学校でも同じことが行われています。そう「今」では。

管理教育がアタリマエだった昔から、灘校は「自由」だったのです。灘校には有名な国語教師だった橋本武氏がおられました。今回図書館を見学した際、私はその中のあるコーナーで橋本先生が実際に授業で使用した「銀の匙・授業用ノート」を拝見することができたのです！周りでは見学者が「この本棚はステキだ」とか「こんな本を読むなんてさすが灘の生徒ね」などの声が聞こえていましたが、そのコーナーに気がついた人はあまりいなかったようですね。私がその「禁帯出」のラベルの貼られた、えんじ色の実物を手にしているのを、司書の方はじーっとご覧になっていました。あまりにも熱心に見ていたもんで、持って帰っちゃうんじゃないかと思われたのかも(笑)

そのノートは自分で調べたことを書き込めるようになっていて、今風に言えばいわば「ポートフォリオ」。これを橋本先生が取り入れられたのは、なんと昭和25年入学の生徒からだそうです。その「先見の明」もですが、私はそれを認めた灘校そのものの懐の深さも驚きました。灘校の自主性というのは、生徒の前にまず先生の自主性が存在するのでしょう。それも現代ならまだしも、戦後間もない頃のお話ですよ。

灘校の卒業文集にも驚かされました。「卒業文集」といえば「○○先生ありがとう」「部活の仲間たち、サイコー」など、ありきたりの例文的な文章とお思いでしょう？フツーはね。でも…「全面広告・無断掲載禁止」と一面に書かれていたり、急に自分が作曲した楽譜がでてきたり、他にも似顔絵らしきものがびっしり描かれていたり、一面に和歌？が書き連ねてあったり…他人から見たらバカバカしいかもしれない。だけど「自分はこういう存在なんだ」という強烈な主張がそこにある。そんな卒業文集なんです。当塾代表の年度前後のものなども、もちろん言うまでもありません(笑)

初代校長・眞田先生の胸像前で、もらったばかりの瓦せんべいをムシャムシャ食べながらウロウロしていたそこのオコチャマ！お前さん、本当にこの学校に来る気あるんかいな？着飾って鼻高々に先生と話をすることで悦に入っている親御もそうですが、「偏差値トップの灘中に合格できたらウチの子も、その親である自分もサイコーよね！」そんなんでは「自由」「自律」「自主性」なんて望むべくもないような…先達の「遺産」だけが目当てでは、嘉納先生に柔道技で投げ飛ばされちゃいますよ。「一本、それまで」では、また。

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