【追悼・金ピカ先生】一つの時代の終焉（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #金ピカ先生 #予備校講師

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回の清風学園のAI教育のことについて、話を更に進めようとしていたところ、急の訃報が。「金ピカ先生」こと佐藤忠志氏が68歳で亡くなられたとのこと。金ピカ先生、この言葉で「あ！」と思い当たる方、いらっしゃいますか。そう、あの代々木ゼミナールでの「伝説の」日本刀をかざしての講義？の金ピカ先生です。以前このブログで「代々木の思い出」なるものを書かせていただいた私。受験生・浪人生の街であった代々木。そこで少しでも通塾し、働かせてもらった私（当塾教室長）。今の私のゼロの地点の代々木。その街の歴史のきら星が「墜ちた」。今回は急遽追悼文らしきものを書かせていただきます。清風学園さんもご了承くださることでしょう。また次回をお待ちください。

この金ピカ先生、身なりは金のネックレスや指輪でキンキラキン。髪形はヤ〇〇顔負けの角刈り。スーツもふっとい縦じまで、中はもちろん清廉潔白なワイシャツではありません。それで担当の教科の英語を文字通りバッサリと講義するので、受験生には大人気でした。私は同じ代ゼミの国語担当の、パイプをくわえた有坂誠人氏の講義の「キノコ坊や」マークの方に大いなる興味をひかれていましたが。

さて、今の清廉潔白な学習塾の講義がアタリマエと思われているママちゃまたちからは、到底考えられない授業が当時の代ゼミではいくつもありました。アイドル顔負けの衣装とヘアスタイルで、受験生や高校生に今も昔も人気のない教科を講義する、〇〇族のアタマですか、と言わんばかりのいでたちで現れて受験生に怒りながらの講義をする…コンプライアンス遵守の現在では「クレーム」の嵐でしょ。良い講義ではありません、純粋培養で大切に育ててきたウチのお子様たちに悪い影響がある、とばかりに。マスコミもこぞって取り上げるでしょうね、ニュースになって面白いので。

でも、その頃は彼らは絶大なる人気があったのです。その出で立ちもさることながら、何より「学校であんなにつまらなかった教科が、なんだ、こんなに楽しかったのか、こんな風に考えれば良かったんだ！」時代はバブル経済真っ最中。とは言え、受験生にとってはバブルも何もあったものではないですよね。そんな二つの世代のわずかな亀裂を見透かしたかのようにそこに「スパっ」と切り込んでいったのが当時の、講義を受けるために受験生が徹夜覚悟の大行列をなす代ゼミの人気講師たちだったのです。

しかし、時代は変わりました。ある種の痛みをちょっと抱えた世代たちは、忘れ去られたかのようにきれいに整理整頓されて、ママちゃまたちの棚に並ぶことになったようだし、良い授業イコール合格間違いなし＆品行方正＆安い、という方程式も作られたようだし。さて、金ピカ先生、あの世から昔の同僚のセンセイ達をどう思って眺めていらっしゃるのでしょうか。代ゼミ時代の先生たちが「昔のビデオ」で出ています。今ではごく当たり前となった、ネット上の映像授業に乗せ換えられて。合掌。では、また。