理科もできんで何が理系ぞ（怒）②（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #理科 #思考力

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。日出づる処の女子、回復までもう一歩というところ。「神戸女学院の国語」今しばらくお待ちください。ということで、私（当塾代表）の理科の話を続けます。

「これからは『思考力』を問われるのだから、今までの『知識暗記』の勉強なんてしてちゃダメよ。」等とどこぞの教育雑誌の受け売りをドヤ顔で言っていても、いざ自分の子が受験する段になると「入試で出る『思考力』問題で、どう答えたら点が取れるか教えてよ。」と臆面もなく塾に要求する。これのどこが「思考力」教育なの？これだったら、前にも言った通り先人が積み上げてきた「教科書」をまず学んだ方がよっぽどマシですわ。

塾も塾で、表面上は「思考力の指導」を謳いながらも、目の前の利益が最優先なもんだから、親御のバカな要求を呑み込んでしまうんですね。中高一貫校の適性検査の問題をせっせと集めて単元別に編集し、「こんなパターンがあります。こう答えればいいですよ。」と模範解答を示すような「対策テキスト」を作成します。そして「中高一貫校コース」等と銘打って、なるべくオプションで受講させようとするんです。これって今までのやり方と何が違うのでしょう？「パターン学習でも、記述問題なら思考力の指導だ。」とでも言うのでしょうか。

神戸に「神戸大学附属中等教育学校（神大附属）」という国立の中高一貫校ができました。公立と同じ学費なのに難関私立同等の中高一貫教育が受けられるというので瞬く間に大人気となりました。新規生徒募集のまたとないチャンスと見た大手塾は、こぞって「神大附属対策コース」を設置して「記述力や表現力等神大附属対策は万全」というアピール合戦となりました。ところが、蓋を開けてみると男子は六甲・関学上位レベル、女子は神戸女学院レベルでないと合格できないという結果に。どう考えても「神大附属コース」だけで受かる状況ではありません。各塾の上位からエース級の併願による実績がほとんどだということ。思考力系が中心の適性検査でも、思考力「対策」をやっただけでは受験勉強をしっかりやった受験生に勝てないということです。

こう言うと必ず出てくるのが「いや、そんなことない。塾に行かずに神大附属に受かったという子がいる。」という話。大概ネット上の情報ですよね。で、ほとんどが匿名。ホントかウソか判断することができない代物です。情報リテラシーが低い親御だと、こういう情報に接したときに自分に都合がいいように解釈してしまうのです。百歩いや百億歩（？）譲ってホントだとしても、それが自分の子に当てはまる確率はどれくらいでしょう。それくらいの判断もできないのでは、なるほどほとんど合格の見込みがない「神大附属コース」だとしても生徒が集まる訳ですね。

では、中学受験塾の理科に関する情報を一つ。中学受験においては算数が花形と思われており、理系の人材はどうしても算数に偏ります。また理系の人間でも、分野が多岐に亘る理科より算数の方がよっぽど教えやすいのです。私は灘中入試で算・理とも85％の得点で、講師としても算・理を教えていましたが、大手塾ではあっさり理科に配されました。そのときの上司が「中学受験の理科を知っている人が来てくれて本当に有難い。履歴書が100通あっても、理科OKは1、2通あるかどうかなんですよ。」理科のチームを見てみると、実は文系だったとか予備校で英語を教えていたとかいうのもザラ。受験塾でもこれだから、いわゆる総合型の大手塾だともっと深刻でしょうね。「算数ばかりやらされる」のはその兆候アリですよ。

話を元に戻しましょう。親御も親御なら、塾も塾ということ。それなら、学校に期待して…と言いたいところですが、これがまた…続きは次回にしましょう。では、また。