残念な人の「低学年からの受験準備」④（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #残念な人 #低学年 #受験準備

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。さて「算数の天才君」、国語の指導から見えてきたものを私（当塾教室長、国語担当）から。でも、その前にお話ししたいことがあります。

「算数の天才君」もちろん当塾でも「たっぷり」宿題を出していましたが、その他にも家で様々な市販の問題集を買い与えていたようです。ところが、一冊「ちょい解き」しては新しい問題集へ、それをまた「ちょい解き」してはさらに別の問題集へと、かなりの冊数を「ちょい解き」してはポイだったようです。

親御さんたちは市販問題集の「題名」につられますよね。「中学受験、これが図形の極意」「中学受験、算数はこれだけでいい！」等々。これをやれば我が子の力が「伸びるはず」と思っちゃうのですよね。でも、親御さんが忍耐力がなく、すぐに答を教えたりすると全く意味がない。子どもさんも、出来るところはどんどん楽しそうに解いていても、一たび解らなくなったら「この問題が悪い」とばかりにダダをこねたり、泣いてみたり。子どものことですから実力行使です。それに負けて親御が教えてしまうと、ダダをこねれば答えを教えてくれることを「学習」してしまう訳ですね。解らない問題を自分のアタマで頑張って解いていってこそ、問題を自分で解けた「喜び」を知ってこそ、力が伸びてくるのに…親子してその機会を放棄してしまうのです。

塾にやってくる子供たちだって一筋縄ではいきませんよ。「忍耐力？何それおいしいの？」「わからないから答教えて。」というのがイマドキのオコチャマ達。「楽しくスラスラとパッとすぐに解ける」ことが当たり前。家に持ち帰った宿題でも、お子さんが「わかんない」等と言って泣き出したりすると、すぐに「可哀想だから」「泣かれると困るから」と代わりに解いてやってしまう。「そんなもんくらいオレが教えてやるよ」とカッコつけるのは良いのですが、お子さんが忍耐強く解くことを見守ることが親御さんにできるのでしょうか？市販の問題集の使い方にはくれぐれもご注意を。このテーマについては、また別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

でもこの話、「思考力」にもつながってきます。「算数の天才君」当塾で採用している思考力教材と、もう一つ別の意図を持った教材で学習してもらうことにしました。「辞書」を引いてもらうためです。当塾では塾生に一人一冊自分の辞書を持ってきてもらっています。わからない言葉を調べたときは、そのページにその言葉と意味を書いた付箋を貼ってもらいます。この子、宿題はまあまあやってきました。しかし「直し」となるとピタッと鉛筆が止まります。塾の教材も、自分が「わかる、できる」となったらどんどん先に進む。で、指導日でもないのにお母さんが満面の笑みで「教材が終わったので、新しい次の教材をもらいに来ました。」なんてこともあったのですが。ただ「辞書」を引くのがほんとーに遅かったのです。

辞書の引き方はもちろん最初に教えます。そこから先は子どもが自分で「言葉の海」の中に入っていき、探していた言葉を貝を見つけるように探し「あったー」という気持ちになってもらいたい。辞書でたくさんの言葉を知ることが言語能力の基礎力をつけると考えています。言語能力はコミュニケーションの根幹。言葉を知らなければ、そりゃ癇癪でもなんでも起こして相手を負かそうとします。極端にですが暴力に訴えてでも。でも、そんなのでは2020年の教育改革、さらに大学入試改革にはたちうちできないのではないでしょうか。お宅のお子さんに思い当たることがありますか？

今流行りのタブレット等、便利に検索ができるツールは大人にはいいのですが、これからどんどん知識を吸収していく段階のお子さんにとっては、「あまりに簡単に手に入れた知識は、簡単に頭の中から消えてしまう」状況を作っているような気がしてなりません。どうやら「算数の天才君」も、お家では「タブレット」や「電子辞書」で宿題をやっていたようなのです。

前置きが長くなり過ぎました。思考力教材の話は次回に。では、また。