灘中国語名物・詩の問題の本質とは?①(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia) #灘中 #灘中国語 #灘中詩

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2018/07/31 灘中国語名物・詩の問題の本質とは?①(神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia) #灘中 #灘中国語 #灘中詩

神戸市北区西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。今回は、当塾のイベント「入試問題を解く会」で私(当塾教室長)が「乱入」してまでお伝えしたかったことをお話しします。算数ばかりでは面白くない!ということで、灘中名物の2日目国語・詩の問題を「飛び入り参加」させてしまいました。

 

時間の制約上、お気に入りの1問だけだったのですが、私の好みが他人様とずれていたのか、問題の選択がマズかったのか、一読された方は一様に押し黙ったまま。「え、これが入試に出たの?」「ずいぶんキツイ内容ね。」というような反応でした。2007年2日目の入試問題。問題中では作者名(岩田宏氏)は書いてありますが、タイトルは示されていません。この詩は、第三詩集「頭脳の戦争」に収められた「動物の受難」というタイトルの詩です。(申し訳ありませんが、詩や問題は掲載できません)

 

第二次世界大戦のとき、動物園にいた動物たちのほとんどは、「檻から脱走すると危険である」とする軍部の命令により、餌に毒を入れられて殺処分されたのです。(ある地方の動物園では、食肉とするために毒殺ではなく銃殺した、との話も伝えられているようです)神戸の王子動物園にも、東京の上野動物園にも慰霊碑が建立されています。毒薬を混ぜた餌をやるのは、今まで我が子のように動物たちの世話をしてきた飼育員だったのです。私はこの話を、当時の週刊少年ジャンプに載っていた「ぼくの動物園日記」で知りました。東武動物公園の園長をされていた西山登志夫さんが先輩から聞いた話が基になっているのですが、パンダ人気等で盛り上がっている平和な動物園との大きな違いに、子ども心にも大きなショックを覚えたものです。

 

入試問題を見ればわかりますが、そういう背景については実はハッキリとは描かれていません。例えば、「ヒコーキ」「サイレン」というキーワードはあっても、「空襲」のことなどは詩中にはありません。「大人」だからこそ推測できるものの、12歳の子が入試問題として解くにはかなりキツイのではないでしょうか。淡々と詩は書かれていて、戦争に対する批判を声高に叫んでいるわけでもありません。緩やかなリフレイン(繰り返し)、そして熊、象、ライオン、、虎、ニシキヘビの「死」のようすが、まるで記録するかのような視点で描かれています。「硝酸ストリキニーネ」という毒薬の名が何回も繰り返され、息も絶え絶えに死を迎える動物たちのようすが「静かに」伝わってきます。

 

この詩を理解するには、冷静に場面を直視する「客観的冷徹さ」が求められます。これを作問した当時の灘の先生たち、おみそれしましたというか、さすがというか。この詩が書かれたのは昭和37年(1962年)。今から半世紀以上も前です。このような事実がこの日本という国にあったということを今の子どもにも伝えたい、という当時の灘・国語科の「気概」やっぱりさすがとしか言いようがありません。ただ、「当時は」というところがミソなのですが…それについては、もう少しお話を続けたいと思います。では、また。

 

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