中学受験「診察室」～Ｄｒ．Ｔ＆Ｋのセカンドオピニオン～④（神戸市北区西鈴蘭台の塾・灘中学受験Academia） #中学受験 #受験相談

神戸市北区・西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。中学受験「診察室」の続きです。だんだん相談者の本音が透けてきたようですね。

Ｄｒ．「お子さんが『考えること』そのものを楽しんでやっているのであれば問題ありません。興味を持って、ある意味『遊び』ながら自分なりの思考方法でやっているのなら。ところが、テストの点を気にしながらではアップアップになるともう耐えられません。つい答えを写したり、丸暗記に頼ったりしてしまうでしょう。親に怒られるのは嫌でしょうから。」

相談者「（しばらく沈黙の後）塾でもクラスの真ん中以下に落ちてしまって…今まで下のクラスだった子にもどんどん抜かれて…外から来た子のほうがよくできるのです。小２から今までずっとこの塾に通ってきたのに…」

Ｄｒ．「テストの点や順位、クラスのことについて、お子さんにどのような接し方をされてきましたか。」

相談者「『上がったり下がったりするのは仕方ない。次頑張ろう。』とは言ってきたつもりですが…ただ、主人は『小５の夏にもなってそうとばかりも言っていられない』と言うんです。」

Ｄｒ．「なるほど。お父様はどんなごようすですか？」

相談者「最近仕事で帰りが遅い日が続いていますし、海外出張もたびたびです。やむなくわからないことを放置していたら、テストの順位が目に見えて下がりました。『大事な時に応援できないパパでごめんな』と子どもに謝っていました。」

Ｄｒ．「パパに聞けなくなったから仕方ない、というところでしょうか。」

相談者「家庭教師をお願いしようかとも考えました。しかし、塾と家庭教師それも３科目ともなると…お恥ずかしい話ですがさすがに費用面が厳しくて。それに『家庭教師なんてただおしゃべりしてるだけよ』ということも塾のママ友にも言われて。」

Ｄｒ．「またママ友ですか（苦笑）もちろん費用のこともありますが、家庭教師を依頼する理由が塾での成績を上げるため、というのがそもそも問題です。『下のクラスの子や外から来た子に抜かれる』とお話しされていましたが、同じ塾に入ってしまえば入塾時期の早い遅いは関係ありませんよ。Ｎ中合格率80％の塾に通ったからと言ってＮ中の合格が保証されるわけではない。正確には『受験時に、当塾がＮ中受験の資格アリと認めた生徒の80％が合格しています』という意味です。小１から通ったからといって合格率が高くなるわけでもない。有名塾の『ブランド』は金で買えても、合格は『ブランド』や金で手に入れることはできないのですよ。」

相談者「そんなつもりは…」

Ｄｒ．「ないと言い切れますか？小４や小５になって他塾から移ってくるお子さんもいるし、それまで自宅学習していて『機が熟した』とばかりに大手塾を活用しようというお子さんもいます。低学年でいくら成績がよくっても何の保証にもなりません。現に目の前の成績が下がってきているのであれば、それが紛れもなくお子さんの現在の立ち位置なのです。何らかのアクシデントで偶然そうなったのではありません。塾云々の前に、Ｎ中を目指すには、現実問題として学力が追いついていないのです。学習の仕方そのものに問題があるか、塾の指導方針にお子さんが合っていないか、と考えるべきなのです。」

相談者「では、ウチの子はどうすればいいのですか。このまま塾に通わせてクラスが上がるのを待つべきなのでしょうか。」

Ｄｒ．「それは、塾を変えるというお考えはないということですか。」

相談者「…」

問題の核心がようやく浮かび上がってきました。次回、Ｄｒ．の最終診断となります。では、また。