中学受験「診察室」～Ｄｒ．Ｔ＆Ｋのセカンドオピニオン～② #中学受験 #受験相談

神戸市北区・西鈴蘭台の塾、中学受験・中高一貫校進学指導専門塾の灘中学受験Academiaです。前回の続きです。少々長くなりますが、お付き合いください。

Ｄｒ．「自力で解けないときはどうなさっていましたか。」

相談者「パパにすぐ聞きに行っていましたね。パパに教わったらよくわかる、と言って。その後は、大体自分で解けるようになっていました。」

Ｄｒ．「小２で塾に入られてからはどうでしたか。」

相談者「塾のテストで３番だったんです。『小２でこれなら、このままで大丈夫ですよ』と塾にも言われましたし、実際に授業でも『よくできる』と褒められてルンルンで帰ってきていました。小３になってもまだ人数も少なかったですし、通信でかじった内容もありましたので上位をキープできていました。やらせていてよかったなと思いました。」

Ｄｒ．「小４になってからはどうでしょう。事情も変わってきたのではないですか。」

相談者「ええ、そうなんです。どんどんできるお子さんが入塾してきて、週テストの順位も下がりました。」

Ｄｒ．「その週テストを拝見してもよろしいですか。」

相談者「これです。（テストを広げて）少し国語が下がったかな、と。でも国語ですし、年齢が上がればできると思うのであまり気にしないようにしています。」

Ｄｒ．「…うーん、理科もいいとは言えないようですが、どのように学習されていますか。」

相談者「『理科はまだ暗記中心なので、そんなに力をいれなくてもいい』と塾の先生もウチの主人も口を揃えるものですから、正直算数ほどは勉強していないかと。」

Ｄｒ．「その算数ですが、小４までは半分小学校内容ですので取り組みやすかったのではないでしょうか。気になるのは、文章題の正解率が低くなっていることです。文章題の取り組み方はいかがでしょうか。」

相談者「塾の宿題でもよくわからないと言ってはパパに教えてもらっていました。『線分図が書けない』そうで、主人が線分図を書いてあげていました。でも、計算は得意なので算数全体としては順位も下げずに済んでいます。やはり早いうちから訓練していてよかった、と。」

Ｄｒ．「なるほど、計算力はあると。」

相談者「ええ。ただ、最近週テストでもミスが多くなってきていて…」

Ｄｒ．「『計算のきまり』や『単位換算』でのミスが見られますね。また、基本的な分数・小数の計算にも間違いがあります。小学校で習う程度のものもあるようですが。学校の宿題でもミスが出てはいないですか。」

相談者「（ややムッとした表情で）小学校の宿題は適当にしかやっていません。本人も『簡単すぎてかえって間違える』と言っています。」

Ｄｒ．「『簡単すぎて間違える』ですか…ちょっと考えにくいのですが、まあ、いいでしょう。小学校の算数のテストはどうですか。」

相談者「まあ、悪くても80点は取っていますね。やはり『簡単すぎて間違える』と言ってます。」

Ｄｒ．「では、ハッキリ申し上げましょう。お母様の時代と違って、『ゆとり教育』の頃の小学校のテストは『クラス全員が100点を取る』ことを目標にしたものだったのです。現在『脱ゆとり』とはいうものの、少なくとも中学受験を志す子なら満点で当たり前のテスト内容です。『簡単』というよりは『理解度』を測定するためのものなので、満点の生徒が少ないとなれば、担任の指導力が問われかねないという代物なのです。『簡単すぎて間違える』というのは通じませんよ。」

ここまでのお話、みなさんはどのような感想を持たれましたか。両者いよいよヒートアップの様相を呈してきていますが、今回はここまで。では、また。