【Academia流】詩集「詩歌・中学受験」より～皐月～

神戸市北区の中学受験・中高一貫校進学指導専門塾、灘中学受験Academiaです。中学受験に関して詠んだ詩を一編、【Academia流】詩集「詩歌・中学受験」より、皆さんに読んでいただき、何か感じていただければと思います。

 

五月のキミ

 

中学受験を終えて

満開の桜の下での入学式

クラスでの集合写真撮影

新しい制服　新しい仲間　新しい先生

少し緊張してチラチラ隣の子を見てるキミ

ふふふ

わたしにキミがまぶしくみえたのは

春の日差しのせいかな

 

新入生対象のオリエンテーション

帰宅したキミは話してくれたよね

堰を切ったように身振り手振りで話すキミ

「大縄跳びでは僕がひっかけてしまったんや」

「もう友達ができたよ　今日そいつと学食に行ってジュース買うたんや」

 

でも…本当は…

第一志望校に…

 

「アホ言うてるヤツおって笑いすぎた」

「図書室がすごく広くて見学したとき迷ってしもた　たくさん本読も」

「学校内をウロウロしてたら中３のフロアに行ってもた　中３ってデカいな」

 

五月の風に背をおされ

五月の風に頬をなでられ

新しい仲間につつまれていくキミ

わたしはちょっぴりすっぱい思い

 

「宿題がー」

「クラス分けテストがー」

「席の順番がー」

キミはあのころ何も話してくれなかったね

 

「宿題がー」

「クラス分けテストがー」

「席の順番がー」

キミはわたしを淡々と見つめていたね

その目で

 

あの時背伸びをしなければ…

 

でも今のキミにごめんねはいらない

 

ひとりで起き上がったんだもの

キミがはじめてひとりで歩いて

あの靴をはいた時のように

 

今、五月

五月の風のように

キミをなでてくれる人

キミをつつんでくれる人

キミをだきしめてくれる人

そんな人が　風が

キミのまわりに　ほら　こんなに

 

「おかあさん　もう駅まで送り迎えはいらないよ

ひとりでいくから　いいね」

 

ふふふ

いってらっしゃい

 

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